研究課題/領域番号 |
25380934
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
村松 健司 首都大学東京, 学生サポートセンター, 教授 (00457813)
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研究分担者 |
塩谷 隼平 東洋学園大学, 人間科学部, 准教授 (00453481)
妙木 浩之 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (30291529)
金丸 隆太 茨城大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30361281)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 児童養護施設 / 多職種協働 / 専門職連携教育 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究期間一年目に実施した質問紙調査と、二年目に行った専門職連携教育プログラム(グループワークとeラーニング)の内容を、学会発表等を通して再検討した。質問紙調査について、心理職の自立支援計画立案への関与と協働実践尺度得点との関連を検討したところ、心理職が自立支援計画に関与することは、そうでない場合よりもケアワーカーとの協働に影響を与えている可能性が示された。ケアワーカーと心理職の協働を強めるためには、自立支援計画に何らかの形で心理職が関与し、ともに子どもの成長を見守るシステム作りが有効である。 専門職連携教育(IPE)プログラムは、グループワークとeラーニングから構成された。グループワークは、2つのグループで全4~6回のプログラムを実施した。前半の3回は心理教育的な構成的グループアプローチを実施し、後半の1~3回はインシデント事例の検討会を行った。協働実践尺度の比較では、「子どもや家族に関する情報を共有している」が高まり、「他職種の考え方がわからないことがある」が低下する有意な傾向が認められた。とくにケアワーカーは、「子どもや家族に関する情報を共有している」他職種に対して、「子どもの援助に有効だと考える方法を積極的に提案する」が高まり、「他職種の考え方がわからないことがある」が有意に低下した。心理職と比べケアワーカーの方に数値が高まった項目が多く、特に心理職に対して積極的に意見を提案できるようになったことがうかがえた。eラーニング受講者の自由記述を感性分析した結果では、第一に心理職とケアワーカーは「施設」と「仕事」という単語と、第二に「職員」「理解」「子供」「大切」という単語のつながりの強さがあった。以上から、「同じ仕事を別のやり方でしている」という相互理解と、子供の「何を」大切にするかという視点の違いを共有することが重要と考えられた。
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