研究課題/領域番号 |
25380935
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
近藤 真前 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30625223)
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研究分担者 |
中山 明峰 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30278337)
渡辺 範雄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20464563)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | めまい / 認知行動療法 / アクセプタンス&コミットメント・セラピー / 前庭リハビリテーション |
研究実績の概要 |
平成26年度までは慢性めまいに対して前庭リハビリテーションと第2世代認知行動療法を組み合わせたプログラムを開発し、単群前後比較研究による予備的な効果検証を行った。その過程で、第2世代認知行動療法では、かえってめまいに注意が集中してしまい症状が悪化する例を認めたこと、内的事象の自覚に乏しいいわゆる失感情症・失体感症の傾向を持つ例では介入自体が困難となること、めまい症状が重症である例では行動により発作的に強いめまいが生じることがあり行動実験が機能しにくいこと、プログラム終了時にめまい症状の改善を見た例でも再発不安が持続することが多いことなどが判明した。いずれも第3世代認知行動療法にて対応可能と考えられたため、平成27年度は第3世代認知行動療法であるアクセプタンス&コミットメント・セラピーと前庭リハビリテーションを組み合わせたプログラムを開発しい予備的な効果検証を行った。9例が6ヶ月後評価を完遂し、プライマリアウトカムであるめまいによる機能障害(Dizziness Handicap Inventory)の効果量は治療前と治療6ヶ月後の比較でhedges's g=1.56と第2世代認知行動療法に基づいたプログラムを大きく上回った。前述の問題点も全て解消され、研究参加者の感想も良好であったことから、アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づいたプログラムが慢性めまいに効果的である可能性が示唆された。さらに症例数を重ねて効果を検証し、次に無作為化比較試験を実施することが必要である。
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