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2015 年度 実施状況報告書

ロールシャッハ・テスト対象関係発達評価尺度の作成

研究課題

研究課題/領域番号 25380946
研究機関東京経済大学

研究代表者

大貫 敬一  東京経済大学, 経済学部, 教授 (40146527)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードロールシャッハ・テスト / 人間表象反応 / 対象関係
研究実績の概要

本年度は、最終的な目的である対象関係発達尺度作成に至る一段階として、いくつかの対象関係論を検討すると共に、すでに作成されている対象関係評価尺度に実際のロールシャッハ反応を適用した際の限界や問題点を検討した。代表的な対象関係発達尺度の一つである、Mutuality of Autonomy Scale(以下、MOA)に各被検者群から得られたロールシャッハ反応を適用すると、いくつかの問題があることが判明した。それらは、被検者の言語表現の違い、一つの反応に複数の水準が含まれること、定義された水準間の独立性と連続性の問題、水準による出現頻度の違い、被検者群間の反応の特徴の相違などで、評定の困難さの原因となっている。そこで、それらの問題点を明確にし、可能な改良を繰り返して、MOA日本版評定ガイドラインを作成した。また、それに引き続き、作成したガイドラインを用いて、臨床群と非患者群における各水準の出現頻度を求め、反応拒否、逸脱言語表現などの他の指標との関係を考察した。
内的な対象関係の発達をより良く評価するためには、現実の対人関係のあり方を反映する人間表象反応指標と共に、対象関係発達の基盤となる認知と情緒の発達理論など、さまざまな観点を組み込む必要がある。それらの観点のうち、把握型W:D、体験型M:ΣC、P反応となる人間像反応、投影的人間像反応、また、体験型を補う指標である、FM+m、Fc+c+FC’、FC:CF+C、などについて理論的な検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

MOAの検討にかなりの時間を費やしたことと、当初、本年度中に完了する予定であった人間関係指標や認知や情緒の発達理論に関する理論的・実証的研究を十分に進めることができなかったため。

今後の研究の推進方策

今後の研究に関しては、人間表象反応指標や、対象関係発達の基盤となる認知と情緒の発達理論を検討を進める。
ロ・テストに現れる認知や情緒の発達に関する理論としては、Leichtman(1988)のロールシャッハの3段階、Friedman(1952)のWaやW+などの把握型による発達水準、Meili-Dworetzki(1953)のロールシャッハ反応が複雑さと分化を増す図式、Klopfer et al.(1954)の陰影反応に示される愛情欲求の成熟や分化の程度を示す指標について理論的・実証的な検討を進め、対象関係発達尺度作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究期間中に研究に費やす時間を制約せざるを得ない状況が生じ、年度中に研究計画を完了することができなかったため。

次年度使用額の使用計画

研究の継続に必要なデータ入力作業のための謝金と必要な文献収集のための費用に充当する予定。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ロールシャッハ・テストによる対象関係の発達評価-MOA日本語版評定ガイドラインの作成-2016

    • 著者名/発表者名
      大貫敬一
    • 雑誌名

      東京経済大学人文自然科学論集

      巻: 138号 ページ: 35-56

  • [学会発表] 体験型による解釈-片口法の立場から-2015

    • 著者名/発表者名
      大貫敬一
    • 学会等名
      日本ロールシャッハ学会
    • 発表場所
      立正大学
    • 年月日
      2015-11-07 – 2015-11-08

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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