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2014 年度 実施状況報告書

うつ病復職者の職場見守りシステム構築に向けた管理職用ツールと研修プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25380951
研究機関早稲田大学

研究代表者

鈴木 伸一  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00326414)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードうつ病 / 職場復帰 / 再発予防 / 職場での見守り / チェックリスト
研究実績の概要

本研究は,職場上司等が復職者のメンタル不調の兆候を簡便にかつ的確に評価することが可能なチェックリストを開発するとともに、そのチェックリストを活用して、職場上司等が、復職者の再発予防のために適切な支援や関わりができるようになるための研修プログラムを開発することを目的としている。
平成26年度は,メンタル不調の兆候チェックリストの信頼性と妥当性の検討を行うとともに,他者評価によるうつ状態の判別力について検討を行った.
まず,メンタル不調の兆候チェックリスト34項目について,同時点におけるうつ症状の重症度,職場適応,および精神疾患の可能性の予測が可能かどうか,また,1ヶ月後のうつ症状や職場適応の悪化,および精神疾患罹患の可能性の予測が可能かどうかについて検討を行った.相関係数を算出し,その結果から,有意確率が示された項目として10項目を抽出した.そして,抽出された項目について,ROC解析を行い,AUC(Area Under the Curve)の値を求め,抽出した項目の予測力とカットオフ値の検討を行った.
その結果,メンタル不調の有無において,10 項目セットでは,現状予測,1 ヵ月後未来予測においても兆候尺度の得点が22 点以上であればメンタル不調の可能性を考える必要があることが示された。また,うつ症状の重症度において,10 項目セットでは,1 ヵ月後の未来予測において,軽症・中等症は兆候尺度のカットオフ得点は22 点以上,重症では26 点以上であることが示された。
このことから兆候尺度得点が,22 点以上であればうつ状態である可能性を考慮する必要があり,また,26 点以上の場合には,今後うつ症状の更なる悪化の可能性が考えられるため,被評価者をより注意深く見守る必要があると考えられる。今後,臨床的妥当性を高めるために,さらなる検討が必要である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り進展しているが,臨床的妥当性を高めるためにさらなる検討が必要である.

今後の研究の推進方策

平成27年度は,これまでの研究成果を基に,チェックリストを用いた管理職向けの研修プログラムを検討する予定であるが,「管理職による見守り」の促進のために,管理職が復職者を支援するにあたっての困難感に関する調査を実施し,困難感の解決を考慮に入れたプログラム案を検討していくこととする.

次年度使用額が生じた理由

平成25年度予定していた調査が,調査先の事情で平成26年度にずれ込んだため,平成26年度中に調査予定をすべて終了することができず,一部の調査を平成27年度も継続して行うことにしており,その費用が繰り越されている.

次年度使用額の使用計画

平成27年度に予定されている研究を進めながら,同時進行で平成26年度に終えることができなかった一部の調査を実施し,すべての研究計画を予定通り完遂する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 心理・行動的介入:行動医学と認知行動療法の活用2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木伸一
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 85 ページ: 43-48

  • [雑誌論文] うつ病の認知行動療法の脳内作用メカニズムと今後の展開2014

    • 著者名/発表者名
      国里愛彦・岡本泰昌・吉村晋平・松永美希・岡田剛・吉野敦雄・小野田慶一・上田一貴・鈴木伸一・山脇成人
    • 雑誌名

      Depression Frontier

      巻: 12 ページ: 41-45

  • [雑誌論文] うつ病における認知行動療法の神経作用メカニズム2014

    • 著者名/発表者名
      国里愛彦・岡本泰昌・吉村晋平・松永美希・岡田剛・吉野敦雄・小野田慶一・上田一貴・鈴木伸一・山脇成人
    • 雑誌名

      ストレス科学

      巻: 29 ページ: 45-54

  • [学会発表] Cognitive and behavioral determinats of sick-leave duration and relapses in patients with depression.2014

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, S., Son, S., Yada, S., Shimizu, K., Kunisato, Y., Suyama, H., Ogawa, Y., Takei, Y., Sasaki, M., Ito, D., Koseki, S., Koseki, M., & Shirai, M.
    • 学会等名
      28th International Congress of Applied Psychology
    • 発表場所
      Paris
    • 年月日
      2014-07-08 – 2014-07-13

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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