研究課題/領域番号 |
25380954
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研究機関 | 新潟青陵大学 |
研究代表者 |
真壁 あさみ 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 教授 (20290067)
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研究分担者 |
伊藤 真理子 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 准教授 (50440467)
浅田 剛正 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 准教授 (10521544)
橘 玲子 新潟青陵大学, 大学院臨床心理学研究科, 教授 (00018384) [辞退]
本間 昭子 新潟青陵大学, 看護学部, 教授 (50339941)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子ども / 入院 / 造形 / コラージュ / 粘土 |
研究実績の概要 |
入院中の子どもが治療・検査などによって受けた、苦痛を伴う身体感覚を造形活動を通してどのように表現するのかを明らかにするために調査研究を行った。調査の対象は病理群:入院中の小学生22人、コントロール群:入院していない小学生20人とし、コラージュか粘土のどちらかを選んで制作してもらい、その様子をビデオで記録した。また、入院・治療を通して感じた「嫌なこと、痛いこと」について本人にインタビューを行ったほか、保護者にも児の様子についてのアンケートを行った。 分析項目は病理群とコントロール群の差異を調べるために、作品の形式分析(コラージュの切片数や粘土べらの使用など8項目)と内容分析(アイテムの差異やテーマの変更など6項目)を行ったほか、病理群のインタビュー内容やアンケート内容、群を問わない低学年・高学年の差異、コラージュと粘土の差異についても注目して分析を行った。 平成25~26年度は、データを収集し、平成27年度は結果の分析を行った。平成28年度は結果を検討し以下の内容を病棟保育士と共有した。1.コラージュ作品では、切片のはみ出しがコントロール群より多いこと、2.粘土制作で、粘土を全部使わなかった子どもが、コントロール群より多いこと、3.コラージュ作品では作品を見たときの印象として、不快因子が高いこと、4.見守り手との会話の量(時間)がコントロール群より多いこと。その結果、これらの内容が病棟保育士の日々の子どもの観察と一致する部分があることが確認された。 研究全体を通して得られた結果から、1.入院中の子どもと入院中でない子どもの造形の違い、2.痛いこと、いやなことが無いと答える子どもの作品への取り組み・表現、3.入院という状況が生み出す見守り手との関係、4.子どもの造形活動としてのコラージュと粘土の特徴についての4項目について考察した。論文発表等は今後行うこととする。
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