認知症の精神症状は疾患により特徴的なパターンがあり、疾患の精神症状への介入が認知症診療での重要な臨床課題である。加えて、認知症患者にとって真に重要な臨床指標は、生活の質(quality of life :QOL)である。そこで、疾患別に特徴的な精神症状への行動的介入療法の有効な方法を考案し認知症患者のQOLも測定した。対象者は13名の患者介護者である。行動的介入の主な結果は、治療前後のQOL-ADの総合得点は家族評価(客観的評価)が改善したが、患者評価(主観的評価)は、一部の項目のみ改善した。行動的介入療法により、多様な認知症疾患の精神症状のみならず、QOLにおける効果も有効であった。
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