研究課題
本研究の目的は,児童青年の不安障害,うつ病性障害における認知行動療法(CBT)の有効性を検討することであった。本研究では,日本版子どもの認知行動療法(CBT)プログラムを用いた(The Japanese Anxiety Children/Adolescents Cognitive Behavior Therapy program: JACA-CBT; 石川,2013)。本プログラムは,複数のトライアルを経て改良された我が国で開発された全8回プログラムである。対象者は複数の広告から募集され,電話スクリーニングを経て,プレアセスメント時点に参加した。包含基準に従って選抜され,かつ研究参加に同意した51名の対象者が,無作為に先に認知行動療法を実施する(CBT)群とウェイト・リスト・コントロール(WLC)群とに割り付けられた。昨年度までで,すべての対象者の6ヶ月フォローアップまでのデータは収集されており,データの固定化が完了している。本年度は,最終年度して対象者51名を対象に,CBTの効果について検証を行った。分析の結果,主たる効果指標である半構造化面接において,CBT群とWLC群で診断から外れる対象者の割合に有意な差が見いだされた。さらに,主診断の重篤度においても仮説通りの差が得られた。一方で,自己報告式と親報告の尺度においては,いずれも有意な時期の効果しか得られず,明確な効果はみられなかった。以上の結果から,二次的な効果指標においては,明確な群間差はみられなかったものの,本研究における主たる効果指標である臨床面接においては,CBTプログラムの効果が示された。
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