2013年にPRIME-Screen日本語版を380名の大学生に施行したところ、リスク陽性者は153名であった。2015年は135名の大学生を対象に施行し、リスク陽性者29名のうち、同意のとれた10名に半構造化面接とバウムテスト、風景構成法を行ったところ、10名のうち、6名が精神科受診歴、服薬治療歴があった。「被害関係念慮」は未治療群も治療群も自我違和的体験であり、「自己不全感」は未治療群には自我違和的体験であるが、治療群は自我親和的体験であり、「現実検討能力低下」は両者にとって自我親和的体験であった。治療経過に伴い幻覚と共生していく術を身につけ、幻覚が自我親和的なものに変容した可能性もある。
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