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2013 年度 実施状況報告書

就業後のメンタルヘルス不調予防のための大学生向けキャリア教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25380964
研究種目

基盤研究(C)

研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

長見 まき子  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (10388663)

研究分担者 大野 太郎  大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (40368410)
本岡 寛子  関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (70434876)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードストレスマネジメント / キャリア教育 / プロアクティブコーピング
研究概要

(1)企業ニーズの聴取:企業の産業医,看護職,人事担当者から「若年者のメンタルヘルス不調・職場不適応事例の検討から,就業前に学んでおくべきこと,身につけておくべきことを明確にする」をテーマとして検討会を実施した(2014年1月23日,2月20日).その結果,若年者のメンタルヘルス不調の背景として,コミュニケーションの問題,葛藤回避,周囲からの評価に過敏,相談しない,自分に起こっている問題を言語化できない等が挙げられ,対策として働く意義・自己理解を深める,負荷をかけた大学キャリア教育,OJT型の教育等の必要性が指摘された。入社後すぐの不調や離職は企業での教育では実効性がなく,就労前の段階での教育が重要であることが確認できた.さらに,人格の未熟やコミュニケーションの問題を改善できる教育プログラムの必要性も指摘された.
(2)事前調査のデータ解析:大阪府下A大学のキャリア科目を受講する学部3年生35名(男1名,女34名)を対象として調査を実施(2013年11月<T1>,2014年1月<T2>)した.調査内容はプロアクティブコーピング(PCI),尾関らのコーピング尺度,社会人基礎力,学生用ソーシャルサポート尺度,一般性セルフエフィカシー尺度(GSES),K6,属性(年齢等).PCIと各尺度との関係の検討のため各尺度項目に対してPearsonの積率相関係数を算出したところ,社会人基礎力と正の相関(T1,r=0.41),問題解決型コーピングと正の相関(T2,r=0.43),情動焦点型コーピングと正の相関(T1,r=0.35),友人知人サポートと正の相関(T1・T2,r=0.49)がみられた.CPIとサポート尺度との相関については概念的に一致した結果であった.プロアクティブコーピング背景要因の検討のためPCI高低群で属性比較したが,有意差はなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

proactive copingを向上させることでメンタルヘルス不調を予防することを目的としたストレスマネジメント教育を開発するために、proactive copingに関する文献レビューを行っているが、先行研究が少ない。

今後の研究の推進方策

企業ニーズの把握や事前調査の分析の結果から、proactive copingを高めるためのストレスマネジメント教育が、就労後のメンタルヘルス不調の予防に役立つことが期待される。今後はproactive coping を向上させるためのストレスマネジメント教育を開発し、2014年10月には本研究への参加に同意している大学4年生を対象として介入を行う。介入後には事後調査を実施し、介入前後での心理指標の変化を検討し、教育効果を評価する。さらに、フォローアップとして、対象学生が就職してからも調査を実施する予定であるが、卒業後の連絡がつきにくく追跡が困難となる可能性があるため、本研究のHPを立ち上げ、研究参加者の登録や連絡がスムースに行えるようにする。

次年度の研究費の使用計画

ストレスマネジメント教育の内容が確定しなかったため、テキストが作成できず、テキスト作成費(プリンター購入費を含む)を執行できなかった。
また、調査票の入力を研究者自身で行ったため、人件費が予定を下回った。
次年度はプリンター購入、テキスト印刷費、調査票の入力、研究のHP開設、ストレスマネジメント教育実施のための講師謝金、学会発表の旅費として研究費を使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 就労後のメンタルヘルス不調予防のための大学生向けキャリア教育

    • 著者名/発表者名
      長見まき子
    • 学会等名
      第4回総合福祉科学学会 シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
  • [学会発表] 学生相談室による集団問題解決療法プログラム実施の試み①

    • 著者名/発表者名
      増田香織,西岡敏子,松岡一美,植田賢,本岡寛子
    • 学会等名
      日本学生相談学会第31回
    • 発表場所
      沖縄
  • [学会発表] 学生相談室による集団問題解決療法プログラム実施の試み②

    • 著者名/発表者名
      西岡敏子,増田香織,松岡一美,植田賢,本岡寛子
    • 学会等名
      日本学生相談学会第31回
    • 発表場所
      沖縄
  • [学会発表] 女子短大生に対するグループワークプログラム実施の試み

    • 著者名/発表者名
      高岡しの,猪澤歩,森際孝司,本岡寛子,大対香奈子,藤田昌也,林敬子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第55回大会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2015-05-28  

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