研究課題/領域番号 |
25380964
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
長見 まき子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (10388663)
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研究分担者 |
大野 太郎 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (40368410)
本岡 寛子 近畿大学, 社会学部, 准教授 (70434876)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大学生 / キャリア教育 / コーピングスキル |
研究実績の概要 |
就労前の段階にある大学生を対象にコーピングスキルと社会人基礎力・ストレスの関連を検討し、メンタルヘルス不調予防のためのキャリア教育プログラムの開発の基礎資料を得ることを目的として、2014年4月に調査を実施した。調査対象者は大学生73名(男性3名、女性70名)。調査内容は①社会人基礎力、②精神的健康度、③能動的コーピング、④ストレス。その結果、能動的なコーピングスキルが身についている学生ほど、社会人基礎力が高く、ストレスが低いことが示された。コーピングスキルの「感情面でのサポート探究」のみ、社会人基礎力とストレスとの関連が示されなかったことから、問題に直面した時の落ち込み等の否定的感情を緩和するコーピングよりも、問題そのものに対する解決策を周囲と協力しながら能動的・積極的に解決する力を身に着けておくことが社会人基礎力を高め、ストレスを緩和する可能性が示唆された。よって、今後、能動的な問題解決力を高めるキャリア教育プログラムの開発が有効であると考えられた。 調査結果の分析から能動的な問題解決力を高めるプログラムが有効という示唆が得られたため、認知行動療法の問題解決療法をベースとしてプロアクティブストレスマネジメントプログラム(PSMP)を開発した。 2015年2月に大学4年生11名(男性1名、女性10名)を対象に、開発したPSMPを試行した。同時にプログラム実施前後で調査(社会人基礎力、抑うつ尺度K6、能動的コーピング、ストレス)を実施し、プログラムの効果を評価することとした。さらに、PSMPに対する理解度、興味などについてもアンケートを実施した。現在、結果を解析中である。結果をもとにPSMPの改善を行い、次年度秋に大学4年生を対象にPSMPを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学生を対象とした調査のため、授業時間以外での協力が得にくい。特にプログラムは3時間の時間をとるため協力者が少なく、データの量的解析が難しい。
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今後の研究の推進方策 |
開発したPSMPを改善し、最終版を完成させる。最終版を用いて2015年秋に大学4年生を対象として介入を行う。大学4年生が卒業した後、半年をめどにメンタルヘルスの状態やコーピングスキルの維持状況などを追跡調査する。 PSMPとの比較のために、一般的なストレスマネジメント教育を大学3年生に実施し、その前後で社会人基礎力、コーピングスキル、ストレスについて評価を行う。 同様に、一般的なキャリア教育を大学3年生に実施し、その前後で社会人基礎力、コーピングスキル、ストレスについて評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学生が卒業後に追跡調査をするためのインターネット上にHPを開設する予定であったが、介入できた人数が少数であったため、HPを開設しなかった。さらに開発したプログラムを実施する講師の謝金を予定していたが、共同研究者が講師となったため、謝金を使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はインターネット上にHPを開設する。プログラムを改善する予定のため、テキストの印刷費が新たに必要となる。また、これまでの成果を学会で発表するため、旅費や学会参加費として使用する。
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