研究期間の1年延長申請し、平成28年度は研究成果の対外的公表を行った。 第1に、ICP2016(国際心理学会議)において成果を発表した。概要:本研究の3年間の成果を全体的にまとめ、口頭発表(ポスター)を行った。目的はA県において平成13年度より開催されている、小中学生の不登校の子どもと保護者に対する宿泊型の自然体験プログラムに関する調査を報告する。本研究では、1年間に十数回行われるプログラムにおいて、子どもと保護者を対象にプログラムの開始前と終了時における気分と終了時の満足度を調査し、プログラムによる効果を明らかにすることである。結果と考察は、子ども調査では、全体的に参加前より後の方が点数は高くなった。この事から、子ども達は本プログラムに参加する事でよい体験を経験していると考えられる。親調査では、いずれの回においても、プログラムの前よりも後において不安緊張が緩和されていることが明らかになった。また満足度に関しては、「子どもがいきいきしていた(平均4.7)」「親同士の交流ができた(平均4.4)」の得点が特に高く、不登校状態にある子どもが外で仲間と活動したり、同じ立場の保護者同士が話し合えたり情報交換できることが、親にとって本プログラムから得られるものであることが推察された。 結論:本研究から、不登校の子どもと保護者に対して、宿泊型のプログラムが有効であることが明らかになった。子どもでは、心理的なエネルギーレベルが上がることが、保護者では、不安や緊張といった心理的な不安定要素が減少することが分かった。 第2に日本心理臨床学会においても、3年目の取り組み結果を公表した。以上
|