研究課題/領域番号 |
25380972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
本山 智敬 福岡大学, 人文学部, 講師 (10551434)
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研究分担者 |
平井 達也 立命館アジア太平洋大学, 教育開発・学修支援センター, 准教授 (80389238)
土井 晶子 神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (10465677)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ポジティブ心理学 / パーソンセンタード・アプローチ / 学習する組織 |
研究概要 |
平成25年度は、セルフデザイン・リーダーシップ(SDL)の概念の整理と研修プログラムのパイロット版の作成を中心に進めた。本研究にて提唱するSDLの概念を、パーソンセンタード・アプローチとポジティブ心理学の考え方を援用しながら、共同研究者4名で話しあってきた。ポジティブ心理学の理論やその活用について、日本ではまだそれ程浸透しているとは言えないため、ポジティブ心理学の国際学会に4名で参加し、研究資料の収集を行った。また、本概念を実践的な研修プログラムとして展開していく上では、「学習する組織」の理論と手法を学ぶ必要があったため、「学習する組織」を日本に紹介し実践している団体によって東京で定期的に開催されているセミナーに、4名中2名が参加した。 このように各第一線の場に参加し資料を収集しつつ検討を重ねてきたSDL概念は、自ら必要なリーダーシップ・スタイルをセルフデザインという点で、従来の「完成されたスタイルを学習する」リーダーシップ論とは大きく異なる。そうした新たな概念を構築する上で、ポジティブの国際学会と「学習する組織」のセミナーへの参加は非常に有益であった。同時に本概念を土台とした研修プログラムの作成も進め、プログラムを構成する具体的なワーク案、そしてプログラムの効果を検証するための質問紙の候補となる尺度を検討、収集した。 こうした作業を通して、SDL概念とプログラムの大枠を構築することができた。今後はそれらを更に精査し、実践を通して検証を重ねていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、リーダー研修を企画し、その実践を通してSDL研修プログラムのパイロット版を洗練させることとしていた。しかしながら、研修の依頼先の都合により、平成25年度中の実践が困難となってしまった。当研修プログラムは、実際の実践するなかで参加者のフィードバックを得なければ改訂していくことはできない。それゆえ、研究協力者である西木氏を中心に、新たなリーダー研修の場を設けるべく、現在作業を進めている。 また、効果検証のための質問紙の候補は収集しているが、この実践自体が新たな試みであるために、まだ最終決定の段階には至っていない。似たような先行例を参考に、更なる精査が必要である。そのために、先出の「学習する組織」をベースとしたリーダー研修で用いられている質問紙を現在調査収集中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、SDL研修プログラムのパイロット版をもとにした実践を進めていく予定である。西木氏を中心に企業の管理職を対象としたリーダー研修を行う。さらに、研究分担者の平井氏を中心に大学生を対象とした学生版SDLプログラムを実施する。それらの実践から得た知見に基づいて、SDLプログラムを改訂し、洗練させていくことが目下の目標となる。 その後最終年度に向けて、SDLの理念と研修内容および効果検証の手法の3つが密接に関連しあった「包括的SDL研修プログラム」を構築することが、本研究期間内での最終目的である。こうした一連の研究を遂行するためには、実践の場を安定して確保していくことが非常に重要である。初年度のような変更が起きないように、平成26年度の実績、そしてこれまでにつながりを構築してきた各企業との連携をベースに、早めに研究フィールドの確保に着手する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究遂行の打ち合わせのために旅費を計上していたが、学会の会期中に集まるなどしたことで予定よりも旅費の執行が抑えられたため。 国際学会に参加するための旅費として使用する予定にしている。
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