研究課題
オンラインで受講できる音楽学習プロジェクトについて、対象児童は人工内耳を装用する児童と健聴な児童とすることとした。すでに日本で終了している予備実験の成果をもとに、音楽学習題材の改変と教材を提示するアニメーションをふくめたサイトの改変について、研究協力者らと協議を行い、音楽教材と本研究用に設置した受講用サーバーの改変を行った。その後、倫理審査用研究計画書の作成を行った。また、音楽を教材とする際に重要な要素である、音楽のタイミング表現について2つの研究を行った。1つめは楽曲のタイミング表現が音知覚に与える影響に関する脳波の事象関連電位を指標とする実験であり、カナダ、マクマスター大学 LIVELabで3名を対象とした予備実験の後、24名を対象に本実験を行った。本実験は LIVELab で行われた初めての事象関連電位を指標とする実験であり、楽曲のタイミング表現はピッチ知覚に影響を与えることが予備分析で明らかになった。また、乳児の歌のタイミング表現の選択視行動に関する研究も行い、現在データを分析中である。
2: おおむね順調に進展している
予定していた通りに実験の準備は完了した。データの収集は倫理委員会の審査待ちであるため未完了であるが、2015年4月末に倫理委員会からの文書の一部修正要請があり、近日中にデータ収集を開始できる予定である。さらに、音楽を題材とする教育に関連する、音楽のタイミング表現に対する指向性と音知覚の精度に与える研究を行ったことにより、音楽の転化効果についてさらに知見を深めるデータを得る事ができたためおおむね順調に進展していると判断する。
オンラインで受講できる音楽学習プロジェクトについて該当機関の倫理委員会の許可が得られ次第、研究協力者とともにデータ収集を開始し、データ収集後にデータ分析を行う。また、タイミング表現が音知覚に与える影響について、大人を対象として得られた事象関連電位を指標とするデータの分析と乳児を対象とするタイミング表現に関するデータについての分析を行う。上記の研究から優れた成果について、国際会議での発表と国際学術ジャーナルへの投稿を行う。
検査実施予定機関の倫理委員会の審査が予定した期間に終了せず、データ収集に関わる予算の執行を審査が通るまで待つ必要があったため。
検査実施予定機関の倫理委員会から研究開始の承諾が得られ次第、データ収集を行う。データ収集の際に必要となる実験補助の謝金、参加者への謝金、サーバーの管理費、音楽教材の作成費、研究協力者との打ち合わせに必要な旅費として使用する予定である。
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