潜在的連合テスト(IAT)は、潜在的な態度を測定するツールとして心理学の分野で普及しつつあるコンピュータ課題である。IATの結果は一時的な心身の状態、課題遂行時の戦略等の影響を受けやすいため、これらの剰余変数の影響をどのように取り除くかが重要となる。 本研究では、IATで測定した反応時間データを、Ratcliffの拡散過程モデルに基づいて分析するための具体的な方法を提案し、情報処理の「速さ」と「慎重さ」を分離推定できる可能性があることを示した。また、幅広い分野の研究者が拡散過程モデルに基づくパラメータ推定を行えるように、平易に利用できるユーザ・フレンドリーな分析ソフトウェアを開発した。
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