自己名は、生涯を通じて個人・社会の両面から極めて重要な刺激であり、ごく初期の発達過程から特徴的な脳内処理が行われるものと推察される。本研究は、自己名の情報処理について事象関連電位を用いて検証することで、自己名に対する自動的反応の時系列解析を行い、脳機能評価への応用を目指すための基盤を構築することを目的とした。その結果、人工音声の刺激としての適切性、単一刺激法とオッドボール法の差異、音声の違いによる効果とその被験者間差異、自動的な自己名の検出の漸進性、自己名があたかも自然と(自動的に)標的刺激となることおよびその個人差等が明らかにされた。
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