研究課題/領域番号 |
25381000
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
境 智洋 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40508537)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小規模複式校 / 理科教育 / 複式授業 / 問題解決 |
研究実績の概要 |
1:小規模複式校に対応したプログラムを作り上げた 小規模複式校「北海道・弟子屈町立美留和小学校」と連携し、昨年度に作り上げた小規模複式校に対応した問題解決能力を育成するためのプログラムを実施した。問題解決能力を育成するために開発した「問題発見カード」「課題解決カード」「理科まとめカード」等を用いることで、児童の「課題を見つける力」、「仮説を立てる力」、「実験を考え自ら準備し実験を行う力」、「実験後考察する力」が養われてきている。今後、さらに実践する単元の数、学年を拡大し検証を進めていく。 2:問題解決能力を育成するサイエンスフェアの取り組みについて調査を行った アメリカ・アラスカ州フェアバンクス・ノーススター郡教育委員会で行われているサイエンスフェア及びアィディタロッド郡教育委員会の情報収集を行った。小学校の取り組み、上位大会の教育委員会区における取り組みについて聞き取り及び実施状況の調査を行った。問題解決のプロセスを重視し、児童生徒の問題解決能力の育成をはかる取り組みである。このサイエンスフェアは、学校、教育委員会、大学、地域住民が連携した取り組みであり、小規模校の理科教育にも有効に働いていることが理解できた。さらに、評価方法が問題解決能力を育成する上で的確な評価法を用いていることも理解でした。今後、この取り組みについてまとめると共に、日本への応用及び実施について検討していく。また、小規模校での理科教育を支えるために行われているサイエンスキットの取り組みについて次年度以降本格調査を行うために、予備調査も行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文1件、研究発表3件を行った。へき地複式校における理科授業について、各学年の1単元を同時に行い検証授業を行った。結果、児童の問題解決能力の育成に成果が出ている。この結果は平成27年度に学会で報告する予定である。しかし、小規模校の児童による検証のため、多くのデータを入手することができず一般的な検証までは至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
モデル校による授業プログラムを他学年にあてはめて実施し、授業による検証を進める。又、同時に、小規模複式校の児童生徒の問題解決能力を育成するために、授業以外のサポート方法を検討する。例えばサイエンスフェアの取り組みの導入や、サイエンスキットの取り組みの導入である。そのために、アラスカの都市部から離れているアラスカクスコクイン川上流域ニコライ村(アィディタロッド教育委員会)をターゲットとし、都市部から離れた小規模校での理科教育について調査し、都市部近郊以外での小規模校の取り組みについての知見を得ることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた小規模校理科教育に関する実態調査が教育委員会との打ち合わせの結果研究3年目実施となったため、郵送費及びデータ入力に必要な人件費が次年度へ繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
北海道における小規模校理科教育に関する実態調査の実施、及びアラスカ州ニコライ村調査、理科教育学会での発表に使用する。
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備考 |
小規模複式校の理科教育支援のため、2つのホームページを立ち上げ、成果を還元している。
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