1:小規模複式校に対応した理科教育用のプログラムが完成した。 小規模複式校・北海道弟子屈町立美留和小学校と連携し、小規模複式校に対応した問題解決能力を育成するためのプログラムおよび教材教具を作成した。問題解決能力を育成するために開発した「問題発見カード」「問題解決カード」「理科まとめカード」を用いた「わたり・ずらし」の授業による実践検証の結果、児童の「課題を見つける力」「仮説を立てる力」「実験を考え、自ら準備し実験を行う力」「実験後、実験結果を考察する力」「まとめる力」が児童に養われてきていることがわかった。今後は、このカードおよびプログラムの普及と、カードおよびプログラムの検証を引き続き行う。 2:問題解決能力を育成するサイエンスフェアの取り組みについて調査・報告した。 アメリカ・アラスカ州フェアバンクス・ノーススター郡教育委員会で行われているサイエンスフェアの取り組みを調査検証し、日本への応用を検討した。問題解決のプロセスを重視し、児童生徒の問題解決能力を効果的に育成することのできる取り組みである。このサイエンスフェアは学校、教育委員会、大学、住民が連携した取り組みであり、小規模校の理科教育にも有効であることがわかった。この取り組みの概要をまとめ本で広く紹介することができた。今後は、サイエンスフェアを日本のへき地小規模校の多い自治体で取り組む素地づくりを行う研究に移行したい。
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