日本・ドイツ・英国の前期・後期中等教育段階における第二次世界大戦の歴史を伝える教育の政策方針について調査し、その継続性と変化を、政治的・社会的文脈に投影させ国際比較分析した。3カ国にみられた共通点としては、1950年~60年代は、大戦はいまだ「歴史」としての扱いがない、若しくは少なく、1970年代に入り漸くその解釈が問われるようになったことがある。日本では歴史教科書問題が議論され出した1980年代から力点が置かれるようになったが、ドイツと比較すると内容の分量・詳細さからして扱いは小さい。英国はナショナル・カリキュラム導入前後に大きな変化はみられず、ナチ政権時代ドイツの内容への注目度は高かった。
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