研究課題/領域番号 |
25381024
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 幹雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70163003)
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研究分担者 |
清水 光二 吉備国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30226237)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 芸術アカデミー改革 / シュトゥットガルト芸術アカデミー / アドルフ・ヘルツェル / ヘルツェル学派 / 改革的伝統 / W・バウマイスター / O・シュレンマー / 南西ドイツ文学 |
研究実績の概要 |
平成26年度本科研共同の研究成果は次の通りであった。 1、現地調査:①南西ドイツにみる精神的伝統と同地域にみる開かれたヨーロッパ精神関連ドイツ語圏先行研究の現地調査・研究(担当:清水光二、前年度の研究、南西ドイツにおける亡命者文学とアンソロジー『Exil, Widerstand, Innere Emiration―Badische Autoren zwischen 1933 und 1945,1993』の翻訳・分析に基づいた展開研究。)特質すべき成果:清水光二「バーデン地方に関わる作家たちの戦中・戦後文学-地方作家たちとアルフレート・デーブリーンの場合-」。 2、現地調査:②ヘルツェル学派、O・シュレンマー関連ドイツ語圏先行研究の現地調査・研究(オスカー・シュレンマーにみる造形芸術と芸術教育の改革コンセプト(担当:長谷川哲哉-研究協力者、成果論文:執筆準備中)。 3、前年度現地調査・研究に基づいた、シュトゥットガルト芸術アカデミー改革とヘルツェル学派、W・バウマイスターの貢献についての先行研究状況調査と資料収集(③aテーマ:ヘルツェルにみる造形芸術観と芸術アカデミー改革コンセプト(担当:鈴木幹雄)。③bテーマ:ヘルツェル・シューラーについての研究)。特記すべき成果:前年度現地調査・研究での発掘・入手資料を手がかりとした展開研究:鈴木幹雄「シュトゥットガルト芸術アカデミーにおける改革的伝統と改革的精神の射程-A・ヘルツェルの造形表現上の模索とヘルツェル学派にみる造形的思考研究を手掛かりに-」、鈴木幹雄「シュトゥットガルト芸術アカデミーにおける亡命ドイツ人芸術大学教授は戦後芸術大学に何を託したか」(小笠原道雄編著『教育哲学の課題「教育の知とは何か」』))。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由) 平成25、26年度に現地調査・研究に赴き、或いは国内で文献調査・研究に携わった研究代表者、鈴木幹雄、研究分担者、清水光二、研究協力者、長谷川哲也、の研究活動により、当該研究題目に関連した中核的資料を解明し、更には、わが国で未解明であった研究的足場を端緒的論文として確定させた。 これら研究を手がかりに、平成27年度と並んで、平成27年度には、順次、学会誌・研究科紀要への投稿論文、学会発表という形で成果をあげ、共同研究に深みを与える計画である。(なお、平成26年度に成果として得られた成果に関しては、次項目「今後の推進方策」参照。)
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今後の研究の推進方策 |
シュトゥットガルト市のアルヒーフ・ヴィリィ・バウマイスター管理者ハトヴィッヒ・ゲーツ氏、並びにアドルフ・ヘルツェル・アルヒーフの管理者シュテファニー・ファーベル氏、カールスルーエ市の文学協会のユルゲン・オッパーマン氏の協力によって、当該テーマに関する良質なキーマン研究者、キー資料として次のような先行研究が明らかとなった。ヘルツェルとヘルツェル学派の改革的伝統に関して、K・v・マウアー氏による1990年代~2000年代の研究成果。O・シュレンマーの改革的貢献に関して、マウアー氏による研究・展覧会カタログ(研究資料)、並びにブッパータールのヘルベルツ資料館刊の一連の研究書。更に南西ドイツの亡命者文学に関して、M・クスマン氏の研究書紹介(平成25年度成果)。なお引き続き、シュミット・ベルクマン氏並びにクスマン氏からの文学者・資料紹介(平成26年6月現地調査予定)がもたらされた。 以上の先行研究文献や基礎文献を手がかりとしてこの間研究に取り組み、また得られた研究成果を踏まえ、本共同科研では当該テーマに関して、研究深化の糸口が獲得された。同研究を踏まえて次年度には、研究代表者、鈴木幹雄、分担研究者清水光二、並びに研究協力者長谷川哲哉が、文献解読・分析、海外現地調査・文献調査研究を踏まえ、本科研の共通テーマ「シュトゥットガルトにおける芸術アカデミー改革とヘルツェル学派の改革的伝統」に関する挑戦的研究を行い、もってわが国における当該テーマに関する画期的研究を実現していく方針を実現しつつあるため、目下これをオリジナルな研究成果に結実させる計画を構想している。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同科研打合せ会議(2015年3月3日開催)に伴い、研究協力者(和歌山大学名誉教授長谷川哲哉氏、和歌山市在住)の往復旅費、4,000円と会議開催諸費用2,681円の執行を予定して居り、財務会計システムへ入力済であったが、2月末から3月初めの時期が学部入試・博士後期課程入試業務で多忙をきわめ、寝不足であった為、入力上の不備が生じた。その為予算執行に残額が生まれた。
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次年度使用額の使用計画 |
上記平成26年度共同科研の残予算は、平成27年度に、同年の二度にわたる共同科研打合せ会議(2015年末と、2016年3月初旬開催を予定)を開催する予定であるので、有効に活用することになる。
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備考 |
2015.3公刊の業績は、公開準備の為、Web公開に至っていないものが約半数ある。
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