研究課題/領域番号 |
25381025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
丁子 かおる 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80369694)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 造形教育 / 0-12 / 乳児 / 幼児 / 児童 / カリキュラム / 学びの連続性 / 接続 |
研究概要 |
本研究では、0歳から小学校までの造形教育のカリキュラムを考察するために、小学校で獲得しておきたい造形の力について中学校美術教員にインタビューを行い、小学校における造形教育のゴールを中学校からの視点から理解した。技法の獲得以前に、子ども自身の表現を試行錯誤して追及する姿勢や、自ら学ぶ意欲などが、基礎となると思われた。 また、美術科教育学会の乳・幼児造形研究部会では、美術文化を守り、伝えるという側面が強い中等教育以上の造形教育と、子どもの生きる社会の中での発達という側面の強い乳幼児の造形教育は、同じではなく、次第に目的を変えていく学びであることを主張し、人間の生涯発達という視点から造形教育を捉える提案を行ってきた。しかしながら、造形教育で得られる子どもの学びについては、年齢に関わらず共通した学びがあるという点についても述べた。つまり、子どもの発達過程・段階によって造形教育は異なる価値と共通する価値をもっていることを提案している。 そこで、こうした長期的視野の下、発達が著しく、心身の未分化な乳・幼児期にこそ大切にしたい造形教育の特徴を明確にするべく模索中である。今後、特徴について焦点化することができれば、教育のねらい、題材化の例などを検討していくことができると考えている。 加えて、低年齢の子ども、乳・幼児の造形についての研究事例は未だ多くはないので、これについても保育現場と協力して、保育者との相談のもと、カリキュラムや保育案等の検討を行ってきており、多様な事例を集め、題材紹介などを進められるように考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請時には予定していなかった学会の本部事務局を担うようになり、業務が多忙化しているため、研究の遂行が遅れている。昨年度末の学会で外部への委託事業を提案し承認されたため、今年度中には、外部委託を完了し、概ねの学会業務を軽減でき、研究を遂行できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究については、イタリアはレッジョエミリア市幼児教育施設の訪問と施設での協議、国内の保育現場での0-2歳までの低年齢児の造形について、幼児教育施設と協力して進めていくことを予定している。また、乳幼児期の造形活動の特徴に合わせて、児童期についても発達年齢に合わせてそれぞれの特徴をまとめていきたい。 学会業務の外部委託については、秋にはデータの移行などを終了できるように考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究遂行の遅れと、前年度の科学研究費を継続申請したことで予算が余ったため。 今後、海外視察や保育現場での研究協力などを進めることが予定されているので、昨年度に控えた分についても、今年度は支出が増える予定である。
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