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2013 年度 実施状況報告書

フランスの初等中等教科書における人口記述に関する歴史研究

研究課題

研究課題/領域番号 25381026
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鳥取大学

研究代表者

河合 務  鳥取大学, 地域学部, 准教授 (10372674)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード人口記述 / 同化 / 植民地主義 / 共和主義 / 教科書 / 出産奨励運動
研究概要

「フランスの初等中等教科書における人口記述に関する歴史研究」を遂行するに際して、平成25年度においては、①フランス教育における教科書の位置づけについて概括的・総論的な研究を参照した。②初等地理と初等歴史の教科書を入手し、その人口記述の分析を行った。③人口記述を分析視角を開発・洗練するためフランスの植民地主義に関する先行研究を参照した。
①は、本研究の基盤的枠組みの整理を目的として遂行したが、特に1998年にフランス国民教育省が実施した教科書に関する調査報告書を入手できたことと、フランスにおける教科書研究の分野で大きな成果をあげているAlain Choppinによる一連の論稿およびHelene Huotの研究成果を参照することができたことが大きな収穫であった。
②に関しては、フランス第三共和政期(1870年~1940年)の初等地理教科書と初等歴史教科書を蒐集し、その人口記述箇所を具体的に分析することができた。
③に関しては、フランスの植民地主義における〈同化〉の思想が移民排斥論や共和主義との関連において重要であることを再確認し、その具体的内容を明確にしていくことが課題として浮かび上がってきた。「単一にして不可分」という共和国の基本前提は〈同化〉主義と結びつきやすいものであり、この点が出産奨励運動とはどのように関連するのかという点についても、今後、より多くの史料を分析していく過程で重視されるべきであることが再確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度の計画としては、①20世紀フランスの歴史教科書のリストアップ、②歴史教科書の蒐集、③ヴィシー体制期(1940年~1944年)の人口記述箇所の特定、④各教科書の執筆者等の調査、⑤教科書の人口記述と「人口問題教育」教師用手引書の対比、を行う予定であったが、当初の予定を変更して、フランス教育における教科書の位置づけと、人口記述の分析視角の研鑽を優先したため、特に①歴史教科書のリストアップ、③のうちヴィシー体制期の教科書の蒐集が予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、①20世紀フランスの歴史と地理の教科書のリストアップを遂行し、②ヴィシー体制期の教科書を実際に入手することを最優先に行う計画である。
リストアップに際してはフランス国立図書館のオンライン蔵書目録を活用する。

次年度の研究費の使用計画

人口記述の分析視角を開発・研鑽するための書籍購入を優先し、20世紀フランスの教科書を蒐集する計画が予定より遅れた結果、物品費が当初見積もっていた金額よりもかからなかったため。
差額分を20世紀フランスの初等中等教科書の蒐集に充当する計画である。

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公開日: 2015-05-28  

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