研究課題/領域番号 |
25381028
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
衛藤 吉則 広島大学, 文学研究科, 准教授 (60270013)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | シュタイナー教育 / 生きる力 / キーコンペテンシー / オーストラリア / フィリピン / 日本 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、シュタイナー学校群とその他の学校とを区別し、前年度におこなった事前アンケート調査を元に、「今日的能力」である、知・徳・体とホリスティックな能力・学校でのストレスに注目し、相互の項目での有意差のあるもののみを抽出した。この分析を通してつぎの結果を得ることができた。 知の要素が高い人ほど,ホリスティックな要素も高い。徳の要素が高い人ほど,ホリスティックな要素も高い。知の要素が高い人ほど,徳の要素も高い。健康な心身の要素があることと,学校でのストレスがないこととは,関連が弱い。徳の要素がないことと,ホリスティックな要素がないこととは,関連が弱い。学校でのストレスがない生徒は,徳・ホリスティックな要素を持つ傾向にある。また,学校でのストレスがある生徒は,健康な心身の要素がないほか,徳の要素を持たない傾向にある。健康な心身の要素を持つ生徒は,知・徳・ホリスティックの要素を持つ傾向にある。逆に,健康な心身の要素を持たない学生は,徳の要素も持たない。シュタイナー学校的要素を持つ生徒は,知・徳・ホリスティックの各要素を持つ傾向にある。徳の要素がない(ある)生徒のうち,ストレスがない(ある)生徒は少ない傾向にある。心身の不調を訴える生徒のうち,ストレスを持たない生徒は少ない傾向にある。ホリスティックな要素がある生徒のうち,ストレスを持つ生徒は少ない傾向にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シュタイナーの認識論研究は順調に進み、本を出版できる段階に入った。 アンケート分析については解析に時間がかかったが、有意な項目を抽出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
有意差が出た項目が、現代の能力概念といかにかかわるのかについて論文としてまとめていく。加えて、新たに、それらの項目を中心とする簡易な中国語版アンケートを作成し、調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査データの分析が長引き3月末になり、分析作業のアルバイト代金を残していたが、予定した金額よりも少なくすんだため繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今回のデータ分析の結果を英語論文として公刊するための英文校閲費用や、簡易版の中国語版アンケートの作成費用に充てたいと考えている。
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