本研究の目的は、「能力」概念に着目した国際調査を通して、シュタイナー教育の現代的な意義を論証することにある。本研究の成果として、『シュタイナー教育思想の再構築-その学問としての妥当性を問う』(ナカニシヤ出版、2018年)を出版した。そこでは、シュタイナー教育思想の成立背景と実践的特徴を確認したうえで、「教育学」「科学」「哲学」で論じられる学問的な概念に照らしてシュタイナー教育の理論・実践の妥当性を明らかにした。とりわけ、シュタイナー教育学が新たなWissenschaft(科学・学問)の可能性を有し、「生きる力」や「コンピテンシー」の育成に貢献しうることを論証した。
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