東北各県の資料調査に基づき、尋常中学校再編の状況と第二高等中学校との接続関係などを、断片的ながら明らかとした。九州の事例とは構造の異なる経済力と地域の学習ニーズの在り方がうかがえた。県ごとの差異はあるが寒村を多く抱えて都市部との経済格差が大きく、全体としては初等教育の普及に苦心する一方、都市部においては旧藩の人的・物的遺産を継承した先進的な中学校や各種学校も存在した。また仙台を東北地方の要衝地と認識しつつも東北地方の最高学府となりうる第二高等中学校には関心が薄かった。生徒は上京志向を持っていたが、東北各県の需要としてはむしろ農学校や医学校など地域に直接貢献する人材の短期間での育成であった。
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