研究課題/領域番号 |
25381040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
柳田 雅明 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (20260523)
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研究分担者 |
飯田 直弘 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (80578063)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 後期中等教育 / 包摂性 / 高大接続 / 職業教育 / キャリア教育 / 国際バカロレア / イギリス / 統合的な資質形成 |
研究概要 |
中等教育の多くの取り組みにおいて、科目・学習領域などで壁ができ、統合的な資質形成が不十分になっている。その状況の克服に向けて示唆を得ることを目指して、国際バカロレアおよび「バカロレア」なる名を付している教育プログラムを、イギリスの後期中等教育を中心として、共同研究者とともに検討作業を進めた。 国内訪問調査は、国際バカロレア実施校を軸に聴き取りおよび授業観察を、イギリス現地調査の前工程として3回行った。その対象は、群馬県太田市のぐんま国際アカデミー2回、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校1回であった。両校において、特権的な学び手だけに限定されない包摂性および財政的現実性という点で、本研究計画に沿って日本国内の生の声を確認し、質問項目の洗練にとっても土台となる知見が得られた。 イギリス現地訪問調査では、「国際バカロレア・キャリア関係教育サーティフィケート」(IBCC)課程を有する2校でのヒアリングおよび授業観察を実施できた。最終的に2校の訪問となったものの、重要な事実確認を数多くできたことをはじめ大きな収穫を得られた。加えて、イギリスにおける多種多様な「バカロレア」が存在する状況に関して、その端緒となる『ブリティッシュ・バカロレア』(1990)の原著者をも含めた現地で当該分野においてまさにリードする立場の研究者3名、および国際資格であるIBCCのイギリス内独自構成単位において協力する機関であるEdexcel-Pearsonで実務責任者にも、ヒアリングが実施でき、疑問点の確認を含めた貴重な情報が得られた。さらに、ロンドン大学での関連分野セミナーに参加し、大英図書館等で文献調査が実施できた。 学会発表についても、本科研プロジェクト参画者全員による共同のものを含めた3回を実施でき、国内関連研究者たちから貴重な情報を提供いただきつつ、充実した意見交換ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学術上の示唆が得られる情報の確認・獲得が、かなりできたと認識するためである。直ちに社会に出るばかりでなく大学等に進学するものも含め若年層について大いに検討ができた。さらに3回の学会発表において、今後の研究計画を発展させていくために貴重となるコメントも頂戴できた。 その一方で、希望した訪問数5校にまでイギリス現地での実践訪問に至らなかったことは、準備手順において不手際があったことも否定できない。また、成人対象の取り組みについては、学会発表ができたものの、現地イギリス滞在時においては大英図書館等での文献調査の他はロンドン大学開催関連セミナー出席にとどまり、十分な切り込みができなかったことも、反省点ではある。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度においては、当初計画と併せてIBCC実践訪問の補足をするともに、成人対象の取り組みについても、特にウェールズ・バカロレアの取り組みを中心に充実させていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
柳田分残額は、2014年3月イギリス出張で得られた知見に即して、書籍・消耗品を購入するためである。また研究分担者・飯田分の残額は、旅費の支払いのためである。 以上の理由から、書籍・消耗品代および旅費に使用する。
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