第一に、日本における教職=専門職像が、欧米モデル、特に米国の専門職像とどう異なるかを明らかにした。日本における教職の専門職像は、米国における教職=専門職像と異なり、国家主義に環流するメカニズムを内包する点を明らかにした。第二に、19世紀米国における教職の専門性と専門職性の関係を明らかにした。米国では、教職の専門職性(給与や待遇)を支えることなしに、教職の専門性(教師の能力)を高めようとする改革を約百年間続けたが、成功しなかった。第三に、20世紀日本においては、教職の専門性を高める改革が続けられてきたが、教職の専門職性を高める改革は、1969年の人材確保法以来行われていないことが示唆された。
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