研究課題/領域番号 |
25381044
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
佐久間 裕之 玉川大学, 教育学部, 教授 (70235208)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ペーターゼン / イエナ・プラン / 異年齢集団 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、ドイツ国内におけるイエナ・プラン実施校における異年齢集団の構成法を調べるため、現地校との調整の結果、ノルトライン=ヴェストファーレン州(2校)、メクレンブルク=フォアポメルン州(1校)、ブランデンブルク州(2校)、テューリンゲン州(2校)、バイエルン州(2校)の合計9校の現地調査を実施した。さらにドイツにおける異年齢集団の構成法の特質を、他国における取り組みと比較する視点を導入することで、より明確化することを試みるため、イエナ・プランへの活発な取り組みが見られる隣国オランダにおけるイエナ・プラン実施校に関しても4校の現地調査を実施した。 平成26年度における研究結果の公表に関しては、1.論文「イエナ・プランにおける異年齢集団と教師の力量形成―ドイツ・ローゼンマール校を事例として」(『玉川大学教師教育リサーチセンター年報』第4号、2014年7月)、2.論文「ペーターゼンのペスタロッチー理解―「人間学校」(Menschenschule)の理念を軸に―」(『人間教育の探究』第27号、日本ペスタロッチー・フレーベル学会紀要、2015年掲載決定)が挙げられる。1では、4学年混合による異年齢集団を効果的に実現するために教職員のチーム編成が重要な役割を果たしている点を指摘した。2では、ペーターゼンの異年齢集団の構成原理の形成過程において、ペスタロッチーの「人間学校」の理念から影響を受けている点を文献研究によって解明した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、平成25年度の成果を踏まえて、1.ペーターゼンにおける異年齢集団の構成法の原理とその形成過程の研究をさらに継続するとともに、2.イエナ・プラン実施校の現地調査を訪問可能な範囲で継続するとともに、オランダのイエナ・プラン実施校との比較を通じて、ドイツにおける異年齢集団の構成法の特質を明らかにすることを課題とした。前者については、研究成果の一部を関連学会の学術雑誌に掲載することが決定した。また、後者については2学年混合、3学年混合、4学年混合それぞれによる異年齢集団の構成法の特質と課題について考察し、特に4学年混合による異年齢集団を効果的に実現する教職員のチーム編成の重要性を明らかにした。そして、その成果の一部を「研究実績の概要」に示したように公表することができ、おおむね順調に研究が進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、イエナ・プラン実施校の現地調査を訪問可能な範囲で継続し、平成25年度と26年度の調査結果を総括し、イエナ・プランにおける異年齢集団の構成法の原理について考察し、さらにその構成法を分類・整理して、各構成法の特質についてまとめ、日本における異年齢集団の構成法に応用する際の課題について考察する。最後に一連の研究成果を報告書の形でまとめる。
|