高等学校は、選択的なカリキュラムが進行しているが、その前提として、そもそも青年が共通に持つべき教養とそのカリキュラムはいかにあるべきなのか、この解明を目的とした。研究対象は、共通必修をコアにした昭和26年の学習指導要領と、これを変更した昭和30年・35年改訂学習指導要領である。改訂によれば、共通教養は共通必修の科目や普通科目の学習だけから得られるものではない。教材の種類によりも、それをどのように編成し、どのように教えるかによる、という原則が決定された。以後、これが日本の高等学校教育課程の原則となった。学習指導要領レベルでの固定的な理念と教育内容は決められなかった。
|