研究概要 |
平成25年度は、新教育運動を牽引した教育メディアのポリティクスを考慮に入れつつ、劇化法を編み出した女性校長のハリエッタ・ジョンソンの著作 The Dramatic Method of Teaching(1911) から「劇化法」の言説(discourses)と教師の「行為(conduct)」を抽出し、新しい学習方法の特徴と思考枠組み・思考様式を解明するべくデータ整理を行った。前期の研究推進の後、8月にケンブリッジ大学とロンドン大学図書館アーカイヴスで未収集原典(他の劇化学習の唱道者)を入手し、劇化学習に関する考察を加えるための類型化を行った。そして、8月末の国際教育史学会(ラトビア)と11月のイギリス教育史年次学会(エクセター)に参加し、そこで、研究協力者らとの研究会議を実施し、考察上の枠組み及び見通しについての助言を得た。12月以降には、「劇」における学び、教師の役割、効率性(efficiencies)、成果(performance)に着目した評価論の特徴に関する記述をハリエッタ・ジョンソンの著作 The Dramatic Method of Teaching(1911) から抽出した。 また、研究協力者(Roy Lowe)の著書の訳書を5月に刊行し、解題を行った。さらに、研究協力者(Peter Cunningham)の著作 Politics and the Primary Teacher(2012)及び研究協力者(Richard Aldrich)の著作 The New Education and the Institute of Education, University of London, 1919-1945, Paedagogica Historica 45, 4-5(2009),(485-502)を読了し、イギリス新教育全体の枠組みの再確認を行った。
|