日本が朝鮮統治における喫緊課題とし、推進した朝鮮人の女性や貧困層の不就学児童に対する「皇国臣民の錬成」の目的と内容の一端を明らかにした。女性については近い将来に母となる高等女学校生徒に対する「修練」に、児童については保護観察所の外郭団体「大和塾」における「国語講習会」に注目して考察した。高等女学校では新設された家政科に求められていた家政全般の習得に、実践による日本的趣や日本的生活、「国語」習得を併せた「修練」が「軍国の母」育成を目的に行われていた。不就学児童に対する「国語講習会」では「国語」習得に勤労や軍事援護、地域奉仕等の実践を加えた「錬成」が不良化防止と徴兵への情操を目的に実施されていた。
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