研究課題/領域番号 |
25381060
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
萩原 康仁 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター 基礎研究部, 総括研究官 (30373187)
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研究分担者 |
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター 基礎研究部, 総括研究官 (10549372)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育評価 / カリキュラム / 項目分析 / TIMSS |
研究実績の概要 |
TIMSS2007調査とTIMSS2011調査の日本の中学校第2学年における地学領域の共通項目の変化を項目母数のずれとして統計的に捉えた。また、この共通項目をトピックによって質的に分類しておき、統計分析の結果と対応させた。その結果、 地学領域の「地球のプロセス、循環と歴史」というトピックにおいては、能力特性の水準が同じだとしても、平成22年度に中学校第2学年だった生徒の方が、平成18年度にこの学年だった生徒よりも解き易かったという傾向が見られた。この傾向について、2時点間のカリキュラムの力点の置かれ方の違いから解釈を試みた。 また、TIMSS2011調査のカリキュラムに関する質問調査では、就学前から第12学年にいたるまでの、どの学年のカリキュラムにそれぞれのトピックが含まれているかについて各国調査責任者に尋ねた問がある。本研究では、生物領域における六つのトピックが、参加59か国の小学校第1学年から第6学年までの各学年のカリキュラムで扱われているかどうかについての回答データに対し、確認的なカテゴリカル因子分析モデル(加法モデル)を当てはめマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いたベイズ推定により分析した。その結果、「人間の健康」と「環境の変化」のトピックについて、参加国の平均に比べれば日本の小学校理科カリキュラムで扱われていないことが示唆された。 なお、TIMSS2011調査の公開問題については、中学校について印刷された文字データ(問題文)をテキストデータ化し、調査項目ごとの各単語の頻度といった量的データにした。これは次年度で行う分析の準備である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析方法等の観点で、研究計画に変更が生じているものの、研究自体には進展が見られているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究計画は以下のようである。すなわち、TIMSS調査の公開問題について、各調査項目のカリキュラムの履修状況(被覆状況)が、各項目のテストに関する統計的な特性に影響を与えているかどうかについて探る。その際には、単語-文書行列を統計的な手法で分類して得られる文書クラスタについても予測変数に加える。 これらの公開問題の日本語版と英語版の評価者の判断による難易度比較を試行する。 これまで得られた研究成果を整理する。
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次年度使用額が生じた理由 |
公開問題の日本語版と英語版の評価者の判断による難易度比較の試行について、次年度の計画としたため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記を今年度行い、TIMSS調査の公開問題のテキストマイニングを含めた分析を行い、研究結果の整理をする計画である。
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