研究課題/領域番号 |
25381063
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
泉山 靖人 東北大学, 教育情報学研究部, 助教 (00322983)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 公共図書館 / 図書館施策 / 行政課題 / NPO / 学社連携 |
研究概要 |
平成25年度は理論的研究を並行しつつ、複数の事例調査を実施し、研究成果の一部について発表をおこなった。 この内、事例調査に関しては、宮崎市立図書館(宮崎県)、置戸町生涯学習情報センター(北海道)、小郡市立図書館(福岡県)に対して図書館長等を対象とするインタビュー調査ならびに資料収集を目的とした訪問調査を実施した。宮崎市立図書館はNPOによる運営(業務委託)を2000年より開始、経時的に委託業務を拡大しており、市民協働を掲げる施策と相まって導入された市民ボランティアを含む人材育成の取り組みについて調査をおこなった。置戸町生涯学習情報センターは少子化による学校統廃合を背景とした図書館システムの構築が施策課題とされており、移動図書館車によるきめ細かい市民サービスの取り組みとともに調査をおこなった。小郡市立図書館は学校図書館支援センターや家庭読書(「家読」)等の取り組みをおこなっており、公共図書館による学齢期児童生徒・学校に対する支援体制について調査をおこなった。 このほか、宮崎市立佐土原図書館、宮崎県立図書館、東京都立多摩図書館、訓子府町立図書館、北見市立留辺蘂図書館、同端野図書館、白河市立図書館、春日市立図書館を訪問し、資料収集を実施した。また、フォーラム参加により長崎市立図書館、南相馬市立図書館、陸前高田市で活動する民間図書館等についての情報を収集した。また、日本図書館協会公表の資料を参考にNPOが指定管理者となっている公共図書館のリストを作成し、資料収集を実施した。これらの図書館に対する調査は平成26年度に実施する予定である。 これらの調査の成果の一部について、『現代教育制度改革への提言』(日本教育制度学会編、2013年刊行)所収の「専門職制の強化と市民協働」で公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は3自治体について調査を実施したが、更に4自治体の調査を計画したものの実施に至っていない。この理由の1つとしてNPOに公共図書館の指定管理者を選定している自治体のなかで、指定管理期間の最終年度にあたっていた自治体については最終評価を含めた調査を企図して調査時期を遅らせたために同時に調査を予定していた自治体についても調査を遅らせたことが挙げられる。また、訪問調査について時期の調整がつかなかった自治体もあり、上述の自治体と併せ、平成26年度の調査対象とした。 これらの調査については、実施状況としては遅れとなっているが、予備調査が終了しておりおおむね順調に推移していると判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は上述の自治体に対する調査を実施するとともに、当初の実施計画に加え、NPOが図書館運営に関わっている自治体(特に指定管理者としての運営を対象とする)についての調査を実施し、市民協働等の施策と図書館施策の関連について調査を進める予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
指定管理期間最終年度であったために最終評価を含めた調査とすることとした自治体を含む調査計画ならびに、訪問調査について自治体と調整したものの調整がつかなかった調査計画について、調査経費(旅費)を平成26年度に繰り越すこととした。 平成26年度に改めて調査依頼をおこない、訪問調査を実施するための経費として、平成26年度請求額とあわせて使用する予定である。
|