本年度中に行なった研究内容を加えつつ、研究期間の最終年度として、これまでの調査、分析の内容を総括し、学術論文の投稿・掲載と研究報告書の作成を通じて、研究成果の発表を行った。 学術論文「公民館経営診断における「診断名」「改善・整備による成果」「改善・整備」の連関ー分類項目間のリンケージの構築を意図してー」(日本生涯教育学会論集 、 37号 、 2016年9月)は、前年度に行なった学会発表の内容(「 公民館経営診断技法の検討 ー経営診断におけるリンケージを中心にー」、日本生涯教育学会第36回大会、2015年11月)にさらなる検討を加えて、公民館経営診断のリンケージ構築のための方法とリンケージの例示を行なった。 また、研究報告書として『公民館経営診断技法のリンケージ開発に関する研究報告ー公民館の経営改善事例の調査を通じてー』(2017年3月)を作成した。上記の学術論文が研究成果の結論部分を中心にしているのに対して、研究報告書では公民館経営診断のリンケージとして8事例を示すとともに、公民館の経営改善に関する調査で得られた経営改善の事例(事例数160)をすべて掲載し、これから公民館経営診断のリンケージを構築していく具体的なプロセスも提示している。公民館経営診断のリンケージ(8事例)は本研究の重要な成果と考えられる。また、160の経営改善の事例だけを見ても、同種の課題を抱えている公民館にとって、どのような手立てを取ることが経営改善に有効であるかを検討する際に有効な資料となると考えられる。
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