研究実績の概要 |
前年度までの理論文献を中心とした研究・検討を継続させ、学校評価モデル・デザイン(下記①~③サイクルで構成)の開発を進めた。 また前年度までに学校現場の協力を得て進めてきた「単独評価者による低コスト外部評価診断モデル」について、上記モデルに則した分析を進めた。すなわち、②情報処理サイクルについては、ペーパーレス会議の導入、ICTを活用した授業実践、ICTによる事務改善として、また、③内外アカウンタビリティ調達サイクルについては、地域との連携会議として理論化して捉えること、さらに①経営・意思決定サイクルのなかに、外部からの第三者評価診断者を含めたサイクルとして理論研究を進展させた。さらに①経営・意思決定サイクルに係わっては、教育委員会による教育行政評価の機能を位置づける理論化を進めた。これは報告者が実地に係わった、茨城県内の一市、一村における教育行政評価の具体的なプロセスを例としたものである。それぞれの自治体は、教育行政評価のプロセスが異なること、また学校からの報告情報を、教育行政評価に反映させる機能や方法も異なることから、上記の3つのサイクルモデルのオルタナティブな視点を発展させるうえで有用である。 また、これらシステムの現場での実現可能性について、財政的な側面及び学校の組織運営の側面から理論文献を中心に検討した。前者は、欧米の教育財政研究(Ladd, H. and Goertz, M. (2015) Handbook of Research in Education Finance and Policyなど)を中心として検討を進めた。また、後者は、報告者も委員として参画した、昨年末に出された答申である、「チーム学校」に関わって検討を進めた。以上によって、学校評価モデル・デザインを総括するとともに、学校経営モデル・デザインとして発展させるための理論的な基盤とした。
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