研究課題/領域番号 |
25381066
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
清水 一彦 山梨県立大学, 公私立大学の部局等, 学長 (20167448)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 単位制度 / 授業形態 / シラバス / GPA / 質保証 |
研究実績の概要 |
本研究は、国際通用性を有したわが国における特色ある単位制度の再構築をめざしたものであり、平成27年度に得られた知見等は以下のとおりである。 まず、わが国のこれまでの単位制度研究やとくにアメリカにおける先行研究をレビューした結果、その研究到達度は十分でなく、とくに単位の実質化に関した研究成果が少ないことを指摘した。次に、わが国の同志社大学や筑波大学等の実態調査のほか、アメリカのフロリダ州立大学における単位制度の実態調査等を通じて、依然として大学人の単位制度の成立の概念や考え方への理解が薄く、70年あるいは130年もの歴史を有する単位制度の基本的理解が必要であることが明らかになった。そして、これらを踏まえてわが国の単位制度の改革・改善方策として次の4つを指摘することができた。 それは、第一に、1単位の定義を見直すこと、第二に、3種類の単位計算方法は撤廃すべきであること、第三に、卒業要件の124単位は標準的な量であることを再確認すること、そして第四に、課外活動など学生の自主的な学びの単位化を図ること、である。 これらの指摘事項については、次年度さらに実態調査や文献調査等を通して分析・考察することにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな教育改革や制度改革を行いつつある大学への調査は先送りになったが、国内学の大学における単位制度の実態調査も実現でき、全体としておおむね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
一コマ90分授業を一回60分授業に切り替え本格実施した岡山大学の事例は注目すべきであり、また教育の内部質保証方策の中で単位(制度)の実質化に取り組む大学もあり、こうした先進的改革事例を取り上げていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度学長職への異動に伴い、想定以上の業務多忙により、予定していた研究計画が時間的に遂行することができなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画を遂行するために実態調査を行う予定の大学には早くから依頼をしており、スムーズな実施が可能となっている。また、最終報告書についても年度当初からその作業を進めている。
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