研究課題/領域番号 |
25381068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立教女学院短期大学 |
研究代表者 |
野澤 純子 立教女学院短期大学, 幼児教育科, 講師 (20451693)
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研究分担者 |
藤後 悦子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (40460307)
石田 祥代 東京成徳大学, 応用心理学部, 准教授 (30337852)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 基本的生活習慣 / 特別ニーズ保育 / 困り感 / 巡回相談 / 身辺自立 / 家庭支援 |
研究概要 |
保育所等における巡回相談を活用した特別ニーズ児への身辺自立に関する家庭支援に関し、調査、実践からモデル開発し、その効果を明らかにすることを目的に、平成25年度は次の研究を行った。 保育所等における特別なニーズ児の身辺自立に関する家庭支援の要素の抽出 1)保育における特別なニーズ児への身辺自立の指導、家庭支援の実態把握:①文献研究:特別ニーズ保育における基本的習慣に関する家庭支援研究について調査し、研究動向と課題を明らかにした。また特別ニーズ児に焦点をあてて、保育者主体の家庭支援について研究し、その意義と課題を明らかにした。 ②調査研究:事例研究の対象園において、特別なニーズ児の身辺自立に関する実態調査(質問紙および面接調査)を実施し、支援方針の決定について、当該園の保育特性、保育者の困り感の内容から検討した。また、C県の保育所・幼稚園の保育者を対象に、特別ニーズ児の身辺自立場面での保育者の困り感、困難な内容とその対応について質問紙調査を実施した。結果では困難内容として行動上の問題が多く挙げられたが、対応は個別対応が多く、行動観察や対応案・個別の指導案の作成は多くなかった。 2)事例を通した特別ニーズ児への身辺自立指導法の家庭での適用方法の検討 認可保育園1園において事例研究を実施し、2歳から6歳まで特別ニーズ児について、定期的に巡回相談を実施し、障害児、発達障害の疑い児、不適応児への身辺自立場面での支援および、子育て困難家庭への保育所主体の家庭支援の方法を検討した。また基本的生活習慣形成を重視する保育園を対象に保育カンファレンスを行い、ニーズを把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
保育所等における特別なニーズ児の身辺自立に関する家庭支援の要素について、文献と調査研究を通して、保育における特別なニーズ児への身辺自立の指導、家庭支援の実態把握を実施した。また特定の園において、事例研究を行い、特別ニーズ児への身辺自立指導法の家庭での適用方法を検討した。よって、研究はおおむね当初計画通り進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
保育所等における巡回相談を活用した身辺自立家庭支援のモデル開発に向け、さらに事例研究および調査研究を進める。 1.特別ニーズ保育における巡回相談を利用した身辺自立に関する家庭支援モデルの開発:1)平成25年度の実態調査および事例分析の成果に基づき、特別ニーズ保育における身辺自立に関する家庭支援のたたき台の作成を行う。①モデル構築に向けた調査研究として、保育者による子どもの実態把握の方法、および家庭支援における保護者との情報共有の方法の工夫に関し、国内外の先進的な地域や重点的に取り組む地域を対象に調査を行う。②保育者と保護者の協働の視点からの巡回相談の利用の中で保育士が実践する子どもの行動の見立てや具体的な対応等の方法についての家庭教育へ適用案を作成する。③保育所と家庭との連携の際に使用する補助的手段を検討する。 2)身辺自立に関する家庭支援モデルの開発:保育の場における実践を通したモデルのたたき台の修正→モデルの完成 2.家庭支援モデルの効果の検証(最終年)特別ニーズ保育における巡回相談を活用した身辺自立に関する家庭支援のモデルの効果を明らかにするために、実証研究を行う。 なお、平成25年度の成果に基づき当初計画に1)①の研究計画が加わったため、その対応として海外の先進的取組みに詳しい研究者を研究分担者に追加した。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、初年度に国内の保育所等の特性に関して視察を多く行う予定であったが、平成25年度前半の調査結果により、①保育特性について保育者は認識していないことが多いこと、②国内外の先進的取組の調査の必要性があることが分かった。そこで、平成25年度は、実態把握を特定園での詳細なフィールドワークに重点化し、平成26年度にモデル構築のための国内外の先進的取組の視察・調査を実施することとした。そのため本年度は視察経費や調査分析アルバイトを雇用しなかった。加えて、本研究推進のために1名の研究者の追加が必要となった。そのため年度の後半に国内外の取り組みに詳しい研究分担者を追加したが、事務手続きの関係から分担金の振込みが年明けとなり、この研究者による当該年度の分担金使用が難しかったため、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、視察経費(国内外の視察旅費、観察用のビデオ撮影機器、調査謝礼)、および学会発表費用に使用する。
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