研究課題/領域番号 |
25381068
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
野澤 純子 東京家政大学, その他部局等, 准教授 (20451693)
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研究分担者 |
藤後 悦子 東京未来大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40460307)
石田 祥代 東京成徳大学, その他部局等, 教授 (30337852)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 特別ニーズ保育 / 巡回相談 / 家庭支援 / 身辺自立 / しつけ / 困り感 / 援助要請 |
研究実績の概要 |
本研究では、保育所等の特別ニーズ保育における巡回相談を活用した身辺自立等に関する家庭支援の方法を明らかにすることを目的に文献研究、巡回相談事例の分析、調査研究、先進的地域の取り組みの分析を行った。 前年度までの事例・調査研究に加え、共働き率が高く、同時に、福祉国家としての地位を早くから確立してきた北欧の気になる子どもの支援システムを通して、我が国における「気になる子ども」の支援システムを検討した。結果、北欧における気になる子どもの支援システムには、多機関・多職種が関与しネットワークの構築があり、自治体担当者、ネウボラ保健師といった連絡調整の鍵となる専門家の存在があった。我が国にも専門家が複数存在し、連携を図りながら支援にあたっているが、支援の構造がクリアでなく、窓口が1本化していない自治体も多い。 身辺自立形成に関する保護者から保育者への援助要請、保育者の家庭支援に関する実態を、母親600名、身辺自立が気になる子どもを担当する保育者170名を対象に調査をした。結果、気になる子の保護者は,子どもの特性による困り感や育児ストレスがあるが,困り感から援助要請にはつながっておらず,かつ育児ストレスが多いほどため込む傾向が示され、支援希望はあるが自分からは援助要請を行いにくい状況であると考えられた。 本研究では、保育施設における支援体制を整える上で、これまで以上に関連機関や関係者が連携を図り、ネットワークの中に情報を集約し必要な助言を提供するキーパーソンや機関を明確に設置すること、巡回頻度増加、専門スタッフチームのより密接な関わりの改善の必要性が示された。また家庭支援におけるスキルの提示、行動変容に関しては、口頭や文章だけでなく、動画や静止画の併用が有用であること、保育現場は親からの発信を待たずに、身辺自立形成に困り感を示す乳幼児の保護者に積極的に働きかけていく必要性があることが示された。
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