1945年を画期とする、戦後の学校教育において、1960年代から70年代は大きな転換期であると捉えられてきた。ただし、これまでの日本教育史の研究では、当該時期の研究の蓄積が弱く、史資料の収集すら行われていない現状があり、また関係者への聞き取りも行われてこなかった。そこで、本研究では、いくつかの分野に即して当時の関係者への聞き取りを行うと共に、基礎的な資史料の収集に努めた。また、就学時前教育として保育研究、教科教育の一領域として国語教育、さらに当該時期に制度化が進められ実践の形が大きく変化した障害児教育の三分野を事例として、試論的に転換期を描き出そうとした。
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