教員免許制度について、CIEの教師教育担当官のカーレーは、①主専攻(主免許状)と副専攻(副免)の導入、②各大学が免許状取得のための独自の科目をようにすること、③広範囲の教科を甲教科として、教科専門科目の修得単位数を乙教科より多く設定すること、④仮免許状は有効期間を付して更新を可とすることを提案した。 CIEが要求した免許制度改革プランの第1の特色は教職科目の単位数が多い点である。小中学校の4年課程でそれぞれ30単位、25単位、高校でも20単位となっている。旧制度においては、養成校によって学校ごとに与えられる教員資格の校種が異なっていたが、新免許制度では一つの大学・学部で複数の校種の免許状を授与することが可能となった。さらに重要な点は、小・中・高等学校のいずれの教員免許状も大学の4年間の課程を標準としたことである。だが、当時の大量の教員需要をまかなうことのできるほどの志願者を4年制大学に集めることは困難であった。しかし、CIEは小学校教員も含めて教員養成を4年制大学のレベルで行うという方針を貫徹するのである。 この隘路を打開するためにCIEがとった方策が2年課程と小中学校の2級普通免許状であった。2年課程で2級普通免許状が取得できるならば、大学に4年間通うことができない学生も教諭になることができる。そして2年課程で2級免許状を得て卒業した後も、所定の単位をとれば1級免許状に上進可能である。 2級免許状の制度は、主専攻(メジャー)・副専攻(マイナー)と連動させることによって、学生が大学で4年間学ぶ間に、一つの普通免許状だけでなく他校種あるいは他教科の2級普通免許状を取得することを可能とした。学生にとっては4年課程で学ぶことの利点がふえ、教員需要の面でも柔軟に対応できる。2年課程に対して不十分な教育プログラムであると批判する傾向が強いが、この点ではむしろ積極的に評価すべきである。
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