本研究の目的は、戦前期日本の義務教育年限延長政策を見直し、義務教育年限の変更に際して検討された議論等を明らかにすることであった。このため、義務教育制度整備過程における課題の見直し、義務教育年限延長実施直後に制度化された小学校二重学年制の検討、富山市で実施された二重学年制の検討、以上の調査を行った。 研究結果は以下の通り。義務教育制度の制度整備にあたり、就学開始年齢の一定化が課題の一つとなっていたこと、その制度的対応として二重学年制が導入されたこと、二重学年制は上級学校との接続関係の整備が不可欠だが、児童の進級、就労との接続に関しては一定の有効性が認められていたことが明らかになった。
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