研究課題/領域番号 |
25381094
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
坂田 仰 日本女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70287811)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 学校事故 / 安全管理 / 危機管理 / 損害賠償 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,自然災害に起因する学校事故に関して,教育委員会関係者,学校管理職を対象とする調査を通じて,犠牲となった児童・生徒に対する法的責任について,その現状と課題を明らかにするとともに,関係法令,裁判例の分析を通じて,損害賠償責任の在り方を整理し,事後的救済システムに関する制度設計の方向性と基礎的枠組みを提示することにある。 周知のように,2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災は,多方面に未曾有の被害をもたらした。学校も例外ではなく,幼稚園から大学までの多くの在学者が犠牲となっている(平成23年度 文部科学白書:死者616名,行方不明者71名)。 研究三年目に当たる本年度は,これら大規模災害被災時に管理職がどのように対応するかについての調査結果を分析することに力点を置いた。その結果,アンケート調査からは現場には危機管理上の混乱が存在する状況が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学校現場に対するアンケート調査の分析は順調に推移しているが,裁判例についてはまだ十分な検討が行えていない。その大きな原因は,東日本大震災から5年が経過し,当初存在しなかった関係裁判例が蓄積されている点にある。この点の克服が課題と言える。
|
今後の研究の推進方策 |
東日本大震災から5年が経過し,当初想定されていなかった関係裁判例も蓄積されてきている。この点の分析が必須であり,研究機関を一年延長し,その分析に注力する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査の分析に力点を置いたこと等により,裁判例データベース関連費用,並びにヒアリング調査関連費用について齟齬が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
裁判例データベースを活用し,東日本大震災関連で蓄積された裁判例を収集し,分析することで司法の同校を精査する。 また,アンケート分析の結果明らかになった管理職等の特徴的意識について,ヒアリング調査を実施し,更なる分析を試みる。
|