研究課題/領域番号 |
25381111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
大西 薫 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 講師 (80616532)
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研究分担者 |
大西 将史 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (20568498)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認可外保育施設 / ベビーホテル / 事業所内保育施設 / 保育 / 家族支援 |
研究概要 |
岐阜県内の認可外保育施設【事業所内保育施設:クリーニング業】と【ベビーホテル】において施設長から聞き取り調査および保育場面の観察を行った。聞き取りの主な内容は①園の成り立ち,②子どもの属性,③預けている親の属性,④保育で大切にしていることは何か,⑤保育をする上で困っていること,である。 その結果,両施設の共通点として分かったことは②子どもの属性である。0歳から2歳児のいわゆる「乳児保育」が中心であり,3歳児以降は集団活動や小学校との連携を見据え,地域の幼稚園・保育園を施設側から薦めていた。しかし,夏休みなどの長期休暇時や土曜日などには小学生が利用するなど「学童保育」の側面も見られた。 違う点は①の園の成り立ち,③預けている親の属性,④保育で大切にしていること,⑤保育をする上で困ったことである。事業所内保育施設は,従業員確保のために開園され,預けている親の多くは従業員であり,業種からも地域貢献を重要視している。福利厚生施設として設立されたとはいえ,地域貢献という考えから,近年では非従業員である地域の乳児も預かることとなった。そのため,従業員と非従業員の親同士の関係で保育活動や行事の際に摩擦が生じることもでてきている。 ベビーホテルにおいては,地域の需要があり開園,地域性から利用者の半数は外国籍(両親・片親含む)であり,経済的にも職業的にも不安定さを抱えていた(ハイリスク家族)。そのため,家族を含めた支援が日々行われていた。地域性から考えるとかなり特殊な例とも考えられるため,今後は岐阜県内の事業所内保育施設以外の「その他」に分類されるベビーホテルなどについて,その全体像の把握を行ってく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた認可外保育施設への聞き取り調査および保育場面の観察を行うことができた。認可外保育施設【事業所内保育】【病院内保育】【その他:ベビーホテル】における機能や役割の共通点と違いについてをまとめたものを,現在,第24回ヨーロッパ幼児教育学会にてポスター発表を行う予定である。また,インタビュー内容の質的データの分析や保育職員の語りなどから,認可外保育の質を支える保育者の在りようとその困難さについてまとめている段階である。 今後は,岐阜県内における認可外保育施設の中でも,今までほとんど研究の対象とされてこなかった【その他・ベビーホテルなど】に着目し,そこでの保育の実際について調査を進めていきたい。夜間保育やベビーホテルに対する偏見は根強い。特に岐阜県にあっては認可された夜間保育園が一つもない中,そこで生活している子どもの保育の実態を明らかにすることは重要であり,質的データのみならず,質問紙調査を行っていきながら,【その他・ベビーホテルなど】の全体像の把握を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は岐阜県内の【その他・ベビーホテル】を対象とした質問紙調査を行う予定である。そのため岐阜県認可外保育連盟と連絡をとり,調査協力依頼を行う。 待機児童の受け皿として,休日・夜間保育など地域ではできない保育を担ってきた認可外保育施設は,早ければ平成27年度に本格的に始める「子ども・子育て支援新制度」に向けて大きな選択の岐路に立たされているといっても過言ではない。新制度に係る動向を注視していくと同時に,認可外保育施設の現状を明らかにし,公表できるデータとしてまとめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度に計画していた学会発表及び参加ができなかったため 第24回ヨーロッパ幼児教育学会に参加およびポスター発表
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