研究課題/領域番号 |
25381113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
植田 みどり 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (20380785)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学校経営 / イギリス / ネットワーク組織 / システムリーダーシップ |
研究概要 |
本研究は、ネットワーク組織の手法を活用し、複数校を1つの「学校」として経営する新たな学校経営モデルとそこでの管理職のリーダーシップモデルを開発することが目的である。 初年度である本年度は、モデル開発のための理論枠組みの構築を行うために、文献研究と国内外のフィールドワークを中心に行った。 文献研究では、システムリーダーシップやネットワーク組織等に関する先行研究を収集分析し、複数校を統括的に経営するためのリーダーシップに関する調査研究の理論枠組みの構築を行った。具体的には、David HopkinsやJohn West-Burnham等の研究者やNCSLの調査研究報告書などを収集し、System Leadershipの理論の整理を行った。 国内でのフィールドワークでは、三鷹市や横浜市の教育委員会及び校長を訪問し、統括校長や小中一貫教育における管理職の育成や求められる管理職像に関するヒアリング調査を行った。国外でのフィールドワークでは、2013年7月にイギリスを訪問し、National College for Teaching and Learning(NCTL)や教育省(DfE)を訪問し、Teaching School等に関する政策動向と、管理職養成・研修等に関する実態についてヒアリングを行った。また同時に、Sydney Russell SchoolやBrandlehow Primary Schoolを訪問し、複数校を統括的に経営するExecutive HeadやAcademy Trustなどの実態と成果、課題について校長等へのヒアリング調査を行った。 これらの文献研究及び国内外でのフィールドワークを通して、次年度におけるアンケートやヒアリング調査の枠組みを構築する視点を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書において設定した研究の目的及び平成25年度の研究実施計画については概ね達成できている。 特に、システムリーダーシップ関連する文献研究及び国内外のフィールドワークについて当初の予定通り進んでいる。 ただし、ネットワーク組織に関する文献研究については、関連文献の収集は出来たが、学校経営における検討を加えるための分析、整理までは十分に出来ていないため、ネットワーク組織等の視点からの検討枠組みの視点が明確になっていない点が課題である。 平成26年度には、ネットワーク組織に関する文献研究をさらにすすめ、理論的な枠組みの更なる精緻化を図りたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に十分行えなかったネットワーク組織に関する文献研究をさらにすすめ、複数の学校を1つの「学校」として経営する新たな学校経営モデルとそこでの管理職のリーダーシップモデルの開発に関する理論的な枠組みの更なる精緻化を図るために、文献研究を行う。 併せて、国内外でのフィールドワークを行う。国内では、小中一貫教育及び小中連携教育の実践校や教育委員会への訪問調査を行い、日本において複数校を経営する管理職に求められる資質能力等及びその育成方法等に関する検討枠組みを構築する。 国外でのフィールドワークでは、Teaching School及びNCTLを訪問し、Teaching Schoolの実践や管理職養成・研修の実態を把握するとともに、実践校を訪問し校長等へのヒアリング調査を行う。 これらの研究を通して、最終年度におけるモデル開発のための課題分析の枠組みを検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終的な残額の確認及び調整が十分に出来なかったため。 平成25年度に十分できなかったネットワーク組織に関する文献の購入に当たる。
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