最終年度である平成27年度においては、これまでの文献研究及び国内外のフィールドワークで得た研究成果を整理し、新しい学校モデルを構築するための視点を抽出する作業を行った。 国内においては、学校事務の共同実施や統括校長、中学校区単位でのコミュニティスクールや小中一貫校等の実践のフィールドワークを行い、各学校での校務分掌や学校運営組織、校長及び管理職のリーダーシップの在り方についてフィールドワークを行った。 イギリスについては、ネットワーク型の学校経営として、FederationやMulti Academy Trust等のAcademy、Teaching Schoolなどの取り組みについて文献研究により先行研究の検討を行った。また実際に学校訪問等を行い、そこでの実際の経営の在り方についてもフィールドワークを行った。 これらの研究の中から、System Leadershipというリーダーシップ理論に基づいた学校経営モデルの構築が有効であることが明らかとなった。そこで、System Leadershipに関する文献研究を行うとともに、理論の整理を行った。しかし、System Leadershipは自立性をもった学校間の経営においては参考になるが、日本のような限定的な学校への権限配分においては、新しい学校経営モデルを構築する上ではもう少し検討が必要であることも明らかとなった。その点が今後の検討課題として残った。 これらの研究成果を、最終報告資料集として年度末にまとめた。
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