研究課題/領域番号 |
25381116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
山村 滋 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (30212294)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 学校統治 / 学校選択制度 / 準市場 / イギリス |
研究概要 |
本年度は、黒崎勲の学校選択論およびルグラン(Le Grand)の学校教育に関する準市場論を分析した。 1)黒崎の学校選択論を「公立学校制度の統治原理モデル」という視点で見ると、「専門職モデル」や「官僚制モデル」ではなく、また単純な「市場原理モデル」でもない。「抑制と均衡モデル」が最良のモデルであると考えられていることになる。しかしながら、「単純な市場原理」の適用と区別されるところの「抑制と均衡の理念」に基づく学校選択制度の具体像は十分に提示されていない。 2)ルグランは教育サービスの供給形態として、4 つのモデルを提示・比較検討した。それは①信頼モデル、②管理統制モデル、③発言モデル、④選択と競争モデル、である。このうち、ルグランがもっとも優れているとしているのが「選択と競争モデル」である。親や子どもの教育要求に対する応答性、および、たとえ教員や教育公務員が利己的であったとしても,教育サービスを向上させる競争インセンティブを組み込んでいるのが、「選択と競争モデル」だけだからである。そして、ルグランの「競争と選択モデル」では「関連する政策手段が適切に設計される」べきことが必須とされている。今後,「適切に設計されるべき関連する政策手段」の中身について分析することが課題のひとつとなる。 また、各地方当局の中等学校進学制度(選択制度)に関して資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ルグランの論を学校統治の視点に立ち戻って分析を加えることにしたこと、および、各地方当局の中等学校進学制度(学校選択制度)の収集に、予想以上に時間がかかり、分析にまで時間がさけなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究の終了時には、当初の課題を達成できるよう、残り3年間の研究計画を再検討した。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者のケガにより、現地調査を断念したため。 平成26年度以降の、資料収集・情報収集、および研究遂行に必要な消耗品・備品等のための費用に充てる。
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