研究課題/領域番号 |
25381124
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
望月 由起 昭和女子大学, 総合教育センター, 准教授 (50377115)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育社会学 / 早期選抜 / ペアレントクラシー / 中学受験 / キャリアデザイン |
研究実績の概要 |
本研究は、科学研究費補助金若手研究B「受験(準備)の低年齢化に対する教育社会学的研究(平成21年度~平成24年度)」の追跡的研究であり、日本型早期選抜およびその準備教育にみられるペアレントクラシーの実態を実証的かつ多面的に明らかにすることを目的とする。小学校受験に焦点をあてた先の研究成果をふまえ、本研究では中学受験に焦点をあて「当事者の学習行動・意識・キャリア展望」「背景にある家庭の経済力と教育戦略」などを明らかにするとともに、今後のペアレントクラシー研究に発展させるべく「高学歴者にみられる幼少時の親のキャリアデザイン」にも目を向け、「親が我が子に描くキャリアデザインとその現実性」に関する仮説を生成することも試みる。先の研究より引き続き200名に及ぶ協力者に対するパネル調査を行うとともに、上記に関わる調査を多面的な側面から実施し、教育社会学的な視点で分析を加えることとする。 大学生の受験(準備)やキャリア形成に関する研究を含め、関連する先行研究・調査報告等を前年度同様に積極的に収集するとともに、平成27年度は主に以下にあたった。 ・前年度に実施した「小学校受験を経験した家庭に対するパネル調査」「難関大学に通う学生の受験(準備)経験やキャリア形成に関する調査」「国立小学校における教育指導や保護者のかかわりに関する調査」を分析し、学会等で発表を行った。 ・関西地区及び関東地区における中学受験の現状について、受験塾が開催するそれぞれの地域の特徴をふまえた報告会等に参加し、情報収集に努めた。 ・「一般的な学力レベルの大学に通う学生の受験(準備)経験、キャリア形成要因に関する調査」を質問紙調査にて実施した。 ・今年度、中学受験に臨んだ300家庭(関東150、関西150)を対象に、webによる質問紙調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中学受験に臨む家庭に対する調査の方法を質問紙調査からweb調査に変更したが、当初からその可能性も視野にいれた計画としており、おおむねの調査・分析等は順調に進んでいると考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究の最終年度にあたるため、これまでの調査分析等を主に教育社会学の視点からまとめ、日本型早期選抜およびその準備教育にみられるペアレントクラシーの実態や課題についての考察や提言を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
・今年度実施した「中学受験に臨む家庭に対する調査」を調査対象者個々に対する「謝金」により質問紙調査で行う予定であったが、web調査に方法を変更したため。 ・研究成果発表及び情報収集を目的として参加した学会大会が近県で開催され、予定より旅費を必要としなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
・これまでの調査分析から導かれた仮説を検証するために、「ペアレントクラシー」の概念をより広義にとらえた調査を試行する。
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