研究課題/領域番号 |
25381130
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
黒田 千晴 神戸大学, 留学生センター, 准教授 (30432511)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高等教育 / 国際教育 / 中国 / 国際共同学位 |
研究実績の概要 |
本研究は、中華人民共和国(以下、中国と記す)と米国、英国、オーストラリアの高等教育における国際教育連携(学生交流、研究交流、国際共同学位プログラムの展開等)に関する諸相を比較検証し、今後の日本の国際教育政策を考案する上での一助となることを目指したものである。 本研究では、中国を分析の軸としつつ、国際教育連携における中国の主要なパートナーである米国、英国、オーストラリア政府及び高等教育機関の視点に焦点を当て、中国と上記3カ国の国際教育連携の関係性について、1)各国の政府レベルでの中国との国際教育連携に対する戦略(政府レベルでの留学奨学金制度の検証等)、2)各国の高等教育機関における中国との国際教育連携の実施状況(事例研究)、3)高等教育機関における国際教育連携に関する教育の質保証に関する取り組みの3点を中心に検証する。 本年度は、中国の主要大学と米国の大学との事例研究として、上海交通大学とミシガン大学が共同で設立しているThe University of Michigan - Shanghai Jiao Tong University Joint Institute、及び中国の南京大学とJohns Hopkins Universityが展開しているThe Hopkins-Nanjing Centerを対象に関係者に対する聞き取り調査を実施した。更に、2015年3月に米国のワシントンD.C.で開催された、Comparative and International Education Societyに参加し、当該研究課題に関連する最新の研究動向を把握すると共に、研究に関する資料を収集した。更に、本研究課題の成果の一部を、2014年7月に開催された日本比較教育学会で発表した他、2015年3月に出版された、神戸大学留学生センター紀要に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、中国の主要大学と米国の大学との事例研究として、上海交通大学とミシガン大学が共同で設立しているThe University of Michigan - Shanghai Jiao Tong University Joint Institute、及び中国の南京大学とJohns Hopkins Universityが展開しているThe Hopkins-Nanjing Centerを対象に関係者に対する聞き取り調査を実施した。本調査を通して、主として米国の主要大学が、中国の大学との国際教育連携を展開する上での戦略、動機、また国際教育連携プログラムの持続的発展に関する要因、及びプログラムを実施する上での課題を明らかにした。事例研究から得られたこれらの知見は、国際教育連携を推進する日本の高等教育機関にとっても有用であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今回の調査を通して知り得た協力者を通じて、次年度以降、追加の調査(国際教育連携プログラムで学ぶ学生を対象とした調査)を実施する予定である。更に、今回の調査で得られた知見を元に、次年度以降も米国、英国、オーストラリアと中国の主要大学との連携により展開されている国際教育連携プログラムに関する事例研究を行い、調査結果を学会での研究発表、論文等で発信していく予定である。
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