国際的高大接続は語学学校を経由せず、予備教育機関或いは直接大学に入学するケースが増えつつある。送出側のマレーシアではマラ工科大学(UiTM)の附属予備教育がブミプトラのための予備教育である一方、中国の大学と同様、国内からの予備教育課程であり海外への予備教育課程になっている。また、中国の「高考」の成績認定は拡大しており、この学力成績に加え、語学能力の向上によって、英語或いは日本語での大学入学資格を認める傾向があることから、中国の一般重点高校でも海外留学の道は広がりつつある。この他、直接連携として中国では国際部併設、高校日本語教育併設(附設)型、高校IB内蔵型等が見られた。 受入側のオーストラリアでは大学には日本の教養教育課程が無く3年間の専門課程で学部段階を卒業できる。その後オーストラリアへの就労滞在も可能であり、これらの経験を合わせ、更なる就職に継続し、永住権をとるという将来の目的に合致した移民政策と合体した高等教育戦略ともいえる。 海外の教育証書の同等性と資格枠組と教育課程の整備において国際的高大接続には、後期中等教育、大学予備教育、中間の中等後教育段階の接続教育機関、そして資格認証をする機関の役割と、大きく4つの種類の教育・評価機関がそれぞれ役割を果たしている。国内の教育機関と資格の統一するために多様な資格を資格制度枠組で整備し、予備教育課程の制度化を進め、国際化対応として様々な教育背景を持つ海外からの生徒の受入体制の充実が図られている。ここに、国内資格と海外資格の同等性の両方の整備化が必要とされる動向が見て取れる。受入には予備教育プログラムの留学生の学力診断は必須であり、そこで不足部分の補充が行われる必要があるが、それはファウンデーション・コースの選択科目として実施され、そのため大学独自の学力認定と教育組織・教育内容の集約化・収斂化が進むこととなった。
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