本研究の目的は、沖縄の本島と離島の間に存在する学力差を埋めるためのヒントを得ることである。沖縄の高校生を対象とした質問紙調査を通して、いくつかのことが明らかになった。 まず本島と離島では、父親の大卒率に大きな差異があった。本島では50.4%であったのに対し、離島では13.1%と大きな差異があった。このことにより、離島の生徒は大学に進学するという意識を持ちにくく、ロールモデルを持つことが難しいと考えられる。離島の生徒は、そもそも大学進学という選択肢を持つことも難しく、学習意欲や進学意識を維持しにくい。こうしたことが本島と孤立した島の間に学力差を生じさせる原因となっていると考えられる。
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