研究課題/領域番号 |
25381136
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
野津 隆志 兵庫県立大学, 政策科学研究所, 教授 (40218334)
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研究分担者 |
陳 來幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00227357)
乾 美紀(寺尾美紀) 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (10379224)
園田 節子 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (60367133)
藤田 美佳 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (90449364)
横田 祥子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (80709535)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ニューカマー / 多文化教育 / 多文化共生 / NGO / 国際情報交換 / タイ / 韓国 / 台湾 |
研究実績の概要 |
1.平成26年度は、平成25年度に調査が不十分だった3カ国(韓国、台湾、タイ)のニューカマー児童に対する教育支援について基礎情報を追加的に収集した。2.本年度の調査実施対象と設定していた「言語」に焦点を置き、4カ国(日本、韓国、台湾、タイ)の調査地の学校、教育行政機関、研究機関で母語教育、教授言語(国語)教育の現状を調査した。3.日本では神戸におけるニューカマー児童の母語学習教室の運営実態について情報収集をした。4.平成26年8月に韓国調査を行い、ソウル(都市部)、ノンサン市(農村部)など条件の異なる複数の地域でニューカマー児童(親が国際結婚の児童)への教育支援、言語支援の実態について詳しい情報を収集した。5.平成27年1月に台湾調査を行い、台湾ニューカマーの教育支援に関する基礎情報を収集、さらに法的規定、公的サービス提供の歴史的経緯について詳しい情報を得て整理した。「たいまつ計画」の実施学校、支援NGOへの訪問調査を実施した。6.平成26年8月にタイ調査を行い、中央政府のニューカマー児童への支援施策、バンコク首都圏で生活するミャンマー人コミュニティへの訪問調査、支援NGOの調査、また、ラオスと国境を接するウボンラチャケンでラオス児童へのNGOによる教育支援の実態について詳しい訪問調査を実施した。さらにウボンラチャタニ県でニューカマー児童の教育に関与している学校、行政、NGOの関係者20名を集めセミナーを実施し、東北タイのニューカマー児童支援について総合的な情報を収集した。 7.平成26年9月に釜山大学社会科学研究院と兵庫県立大学との合同により、「Migration and Diaspora in Asia-Diversity and Dynamics」をテーマとした国際会議を実施した。韓国・日本の多文化社会の現状と課題について本科研分担者と関係者による発表と意見交換をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各国の基礎的情報を広い範囲にわたり蓄積している。また、各国で詳細な調査を実施するための調査地の選定はほぼ終わった。 しかし、韓国、台湾、タイの3カ国で国別分担調査をしているため、相互の情報にかなりのばらつきがある。 相互の情報交換を頻繁に行う機会を設けて、情報の質的な均質化を行わねばならない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、各国別に以下の課題を調査研究する。 ①教育内容課題(2)「カリキュラム」「学力保障」に焦点を置き、多文化カリキュラムや多文化教材の開発、学習補助員・特別クラスなどの制度や実態について調査、資料の収集を行う。 ②ニューカマー児童支援ネットワークの形成要因を解明する(26年度調査をふまえ、当事者の<意識要因>に重点を置いて面接調査を実施する)。 ③ネットワークが形成され、従来の学校教育とは異なる革新的な教育方法や教育内容などが開発された成功事例を各国から抽出し、連携・協働がもたらす利点を解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品費用に3482円の差額が生じたため
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次年度使用額の使用計画 |
今年度、消耗品に支出する
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